ガントチャートツール選びで迷っている方は、まずNotionのタイムラインビューを試してみてください。
Notionは、ドキュメント、タスク、プロジェクト、ナレッジベース、カレンダー、会議メモなどを1つのワークスペースで扱えるオールインワン型のツールです。単にガントチャートを作るだけでなく、WBS、タスクボード、議事録、仕様書、関連資料、意思決定の履歴までまとめて管理できるため、プロジェクトの「ここを見れば分かる」場所を作りやすい点が特徴です。
海外では、タスク、ナレッジ、会議、AI活用の文脈を1か所へ集め、情報が複数ツールに散らばらないようにする運用が広がっています。国内でも、広告会社の新東通信や業務ソフト大手の弥生株式会社などが、社内情報の信頼できる唯一の情報源(SSOT)としてNotionを活用しています。
製造業でも導入が進んでいます。スター精密は2026年、NotionとNotion AIを国内全社約550名へ展開し、社内ポータル、プロジェクト管理、議事録、業務ナレッジを集約しました。月次アクティブユーザー率は約90%に達しており、AIを単独のチャットツールとして配布するのではなく、日常的に使うタスクやドキュメントの中に組み込むことが定着につながる好例といえます。
また、Notion Labs Japanは2026年3月、日本向けデータレジデンシーの提供計画を発表しました。Enterpriseプランを対象に2026年5月から早期アクセスが段階的に始まり、一般提供は2026年秋に予定されています。ただし、国内保管の対象データには範囲があり、Notion Calendar、Notion Mail、アカウント情報、請求情報などは対象外です。データ保管場所に要件がある企業は、利用機能ごとの保存先を確認し、規制や社内ポリシー、対象データを個別に照合しましょう。
本記事では、初心者向けにNotionでガントチャートを作る方法と、プロジェクト管理を効率化する便利ワザを紹介します。

Notionのガントチャートは、タスク一覧のテーブルと、日付軸にタスク期間を表示するタイムラインで構成されています。テーブルでは、タスク名、担当者、ステータス、期日、優先度などを管理できます。
テーブル側の情報を変更すればタイムラインにも反映され、タイムライン上で期間を動かせばテーブルの日付も更新されます。WBSとしてタスクを洗い出してから、そのままスケジュールへ落とし込めるため、管理表が分散しにくくなります。

ガントチャートの日付変更やタスクの並べ替えは、ドラッグ&ドロップで操作できます。タスク期間を伸ばす場合はバーの端を動かし、開始日ごと変更する場合はバー全体をドラッグします。Excelのセルを塗り替える管理に比べ、スケジュール変更を反映しやすいでしょう。

同じタスクデータベースに対して、タイムラインビュー、ボードビュー、テーブルビューなどを追加できます。ガントチャートは計画作成や日程確認、ボードは未着手・進行中・完了といった進捗確認に向いています。
また、担当者別、部署別、プロジェクト別、今週のタスクだけを表示するビューを作ることも可能です。ビューを分けても元データは同じなので、どこか1つで更新した内容が他の表示にも反映されます。

通常のNotionアプリでは、iOS・Androidからページやデータベースの閲覧、編集、コメントができます。外出先、店舗、現場、テレワーク中でも、タスクの状況確認や更新をしやすい点がメリットです。
一方、2026年7月に公開された「Notion Agents」アプリは、通常のNotionモバイルアプリとは別の、AI操作に特化したアプリです。ページ編集、音声入力、ファイル添付、カスタムエージェントなどに対応しますが、現時点ではiOS 26以降のiPhone向けで、iPadとAndroidには対応していません。
通常のモバイル版Notionでもコンテンツの閲覧・編集はできますが、複数ブロックの一括選択、データのインポート、セキュリティ設定など、一部の操作にはデスクトップ版が必要です。ガントチャートをスマホだけで構築・管理するのではなく、PCで設計し、モバイルでは日常的な確認・更新を行う使い分けが現実的です。
Notionのタスクページには、Figmaデザイン、Googleドキュメント、スプレッドシート、Miroボード、Box上の資料などを埋め込んだり、関連付けたりできます。ガントチャート上のタスクを開けば、作業内容、担当者、期日、議事録、仕様書、デザインファイル、参考資料をまとめて確認できます。
Notion Calendarと連携すれば、データベースの日付をカレンダー上から変更できます。対応プランでは、Notionのエージェントから会議予定の確認、変更、招待送信、空き時間検索なども可能です。ただし、エージェントによるカレンダー操作は2026年7月時点でデスクトップ対応です。
タイムラインで管理する「作業期間」と、カレンダーで管理する「会議・レビュー日時」は性質が異なります。作業期間、期限、会議日を別々の日付プロパティで管理し、タイムラインでは目的に応じて表示する日付を切り替えると混乱を防げます。
タイムラインビューは無料プランでも作成できます。ただし、複数人で利用する無料ワークスペースにはブロック数などの制限があります。AI、ページ履歴、管理・セキュリティ機能にはプランごとの差があるため、チームで本格運用する場合は料金ページを確認してください。
ここからは、Notionでガントチャートを作成する基本手順を解説します。画面表示はアップデートにより変わる場合がありますが、基本的な考え方は同じです。

ガントチャートを作成したいページを開き、空のページで「/」を入力してブロックメニューを表示します。[タイムラインビュー]を選択してください。
既存のデータベースを使うか、[+新規データベース]からガントチャート用のデータベースを作成します。作成後は、データベース名をプロジェクト名や用途が分かる名前に変更しておくと、後から探しやすくなります。

タイムラインビューでは、左側のテーブルが折りたたまれている場合があります。タスク名や担当者、ステータスを編集しやすくするため、タイムライン左上の展開ボタンをクリックしてテーブルを表示しましょう。
タイムライン左側のテーブルに表示する項目は、データベース設定の[Layout]から[Table properties]で調整できます。タイムライン上のカードに表示する項目は[Property visibility]で設定します。
新規でガントチャートを作成すると、デモデータが入っていることがあります。不要なデータは削除し、自分のプロジェクトに必要な作業を入力していきましょう。

タスクの順番や期間は後から変更できるため、まずは必要な作業を洗い出します。会議の議事録や既存のWBSがある場合は、Notion AIでアクションアイテムを整理してからタスク化すると、抜け漏れを減らしやすくなります。
行を追加する場合は、データベース下部または右上の[+新規]をクリックします。担当者、進捗状況、優先度などを追加したい場合は、新しいプロパティを作成してください。
ステータスプロパティを使うと、未着手、進行中、完了などの進捗を色付きラベルで管理できます。列名を「進捗」などに変更し、プロジェクトに合わせて選択肢を追加しましょう。
進捗の分類は増やしすぎないことがポイントです。まずは「未着手」「進行中」「確認待ち」「完了」など、チームで判断基準を共有しやすい項目から始めると運用しやすくなります。
タスクの日付は、テーブルの日付プロパティに入力する方法と、タイムライン上でドラッグ&ドロップして設定する方法があります。

テーブルで日付セルをクリックし、開始日を入力します。終了日も管理する場合は終了日を有効にして設定してください。タイムライン上では、バー全体をドラッグすると開始日を動かせ、バーの端をドラッグすると期間を変更できます。
タスク同士を矢印でつなぐと、依存関係を設定できます。例えば「要件定義が終わらないとデザインに着手できない」「デザイン完了後に実装を開始する」といった前後関係を可視化できます。

依存関係を有効にすると、先行タスクの日程変更に合わせて後続タスクの日付を自動調整できます。自動調整は、[日程が重なった場合のみ移動][タスク間の間隔を保って移動][自動移動しない]から選べ、移動後の日程が週末にかからないようにする設定も可能です。
日程変更が複数チームに影響する場合は、意図しない一括変更を防ぐため、最初は[自動移動しない]または[日程が重なった場合のみ移動]から試すとよいでしょう。
日付、タスク名、担当者、ステータス、優先度などのプロパティを使って、タイムラインを並べ替えたり絞り込んだりできます。「自分が担当する未完了タスク」「今月中に期限があるタスク」といったビューを作っておくと、会議前の確認や日次の進捗チェックがスムーズです。
担当者別、プロジェクト別、チーム別、優先度別にグループ化すれば、誰にタスクが集中しているか、どのプロジェクトが詰まっているかも把握しやすくなります。目的別にビューを作っても、元データは一つなので二重入力は必要ありません。
短期プロジェクトで細かく日程を確認したい場合や、長期プロジェクトを俯瞰したい場合は、タイムラインの表示単位を切り替えましょう。時刻、日、週、隔週、月、四半期、年などから、プロジェクトの粒度に合う表示を選べます。
例えば、日々の制作・開発の調整には週表示、四半期単位の施策確認には月または四半期表示というように使い分けると見やすくなります。
タイムラインで日程を確認しているタスクを、ボードビューで進捗管理することもできます。ビュー追加メニューから[ボード]を選び、[グループ化]を進捗プロパティに設定しましょう。
ボード上でタスクを「未着手」から「進行中」「完了」へ移動すると、タイムライン側のステータスも同時に変更されます。日程はタイムライン、進捗はボードというように役割を分けると、実務で扱いやすくなります。
Notionのサブアイテム機能を使うと、親タスク・子タスクの階層構造を作成できます。大きな工程を親タスクにし、その下に具体的な作業を子タスクとして追加すれば、WBSに近い形でプロジェクトを管理できます。
タイムライン上でも階層を折りたたんで表示できるため、大規模なプロジェクトでも見通しを保ちやすくなります。親タスクには工程の目的や完了条件、子タスクには実作業と担当者を記載するなど、情報の粒度を分けるのがおすすめです。
Notion AIとカスタムエージェントを利用しているチームでは、会議後のプロジェクト更新も自動化できます。2026年7月から、AIミーティングノートの要約完了をきっかけにカスタムエージェントを実行できるようになりました。
例えば、定例会議の終了後に決定事項をプロジェクトページへ追記し、タスクのステータスを更新し、追加対応をチケット化するといった処理が可能です。設定する場合は、カスタムエージェントのトリガーに[Meeting note summarized]を追加し、対象とする会議を指定します。
ただし、AIが日付や担当者を誤認する可能性はあります。最初は「自動更新」ではなく「更新案の作成」から始め、担当者が確認してから反映する運用がおすすめです。決定事項、担当者、期限を会議テンプレートで統一し、期限変更・担当者変更は承認制、議事録への追記は自動化する、といった形で更新内容ごとに権限を分けると安全です。
プロジェクト管理では、タスクだけでなく「なぜそのタスクが生まれたのか」「誰がいつ決めたのか」も重要です。Notionでは、会議メモ、議事録、決定事項、アクションアイテムを同じページや関連データベースでつなげられます。
タスクページから関連する議事録へ戻れるようにしておけば、後から経緯を確認しやすくなります。ガントチャートの各タスクに、判断根拠、過去の類似案件、担当者からの回答を関連付ける運用も有効です。
Notionでは、Figma、GitHub、Miro、Boxなどの情報をプロジェクトページに集約できます。さらにNotion Workersを使うと、Jiraの完了チケット、Salesforceの商談ステージ、GitHubのプルリクエスト、ZendeskのSLAリスクなどをNotionへ同期する仕組みも構築できます。
外部ツールとの双方向連携を本格化する場合は、同期頻度とクレジット消費も設計対象です。最初は日次・時間単位の低頻度同期から始め、小さな更新はまとめて処理し、必要なレコードとフィールドだけを同期しましょう。大きなワークフロー変更後は、Notion creditsダッシュボードで利用量を確認することが大切です。
Notionを全社利用する場合は、便利さだけでなく権限管理とガバナンスも重要です。部署横断で共有するページ、役員や管理部門だけが見られるページ、外部パートナーに限定公開するページなどを分けて設計しましょう。
Workerやカスタムエージェントを共有する場合は、利用のみを許可する権限と、編集・改善まで許可する権限を分けることが重要です。APIトークン、同期対象、エラー通知先、オーナーを台帳化し、担当者の異動や退職で管理者不在にならないよう複数管理者を置きましょう。
長いタイムラインや多数のプロパティを扱う場合は、デスクトップ版・Web版のハイコントラストモードも役立ちます。[Settings]から[Preferences]、[Appearance]を開くと設定できます。
また、導入効果を測る際は、作成したページ数だけを見るのではなく、月次アクティブ率、タスクや議事録の更新率、問い合わせ削減数などで確認するのがおすすめです。まずは情報システム部門や1つのプロジェクトで小規模に試し、テンプレートや成功事例を共有しながら対象を広げると定着しやすくなります。
Notionでガントチャートを作成する方法を解説しました。
Notionの強みは、ガントチャートだけでなく、タスク一覧、ボードビュー、議事録、関連資料、ナレッジ、AIによる要約や自動化を同じ場所で扱えることです。テーブルにタスクを書き出し、タイムラインビューでスケジュールを組み、ボードビューで進捗を確認する流れを、1つのデータベースで実現できます。
依存関係を設定すれば、先行タスクの変更に応じて後続タスクの日程を自動調整でき、週末を避ける設定も可能です。通常のNotionモバイルアプリを使えば、外出先や現場からでもタスクを確認・更新できます。会議後の更新を減らしたいチームは、AIミーティングノートとカスタムエージェントによる更新案の作成も検討するとよいでしょう。
タイムラインビューは無料プランでも作成できます。まずは小さなプロジェクトから始め、議事録や関連資料も同じワークスペースに集約しながら、計画立案から日々の進捗管理までを効率化してみてください。
セールスや採用などのミーティングに関する業務を効率化し生産性を高める日程調整ツール。どの日程調整ツールが良いか選択にお困りの方は、まず無料で使い始めることができサービス連携や、必要に応じたデザインや通知のカスタマイズなどの機能が十分に備わっている日程調整ツールの導入がおすすめです。


