Outlookの「仕分けルール」を使うと、受信メールを条件に応じて自動で移動・分類・処理できます。取引先、請求書、採用、プロジェクト連絡などを手作業で整理している場合でも、ルールを活用すれば受信トレイを見やすくし、確認漏れを減らせます。
代表的な活用例は次のとおりです。
OutlookはクラシックOutlookから新Outlook for Windowsへの移行が進んでおり、利用できるルールの条件やアクションには違いがあります。新Outlookと職場・学校向けのOutlook on the webは、メールボックス側に保存されるサーバー側ルールを中心に利用する設計です。そのため、クラシックOutlookで作成できたクライアント専用ルール、スクリプト実行、自動印刷、カスタム音声通知などは、同じように利用できない場合があります。
一方、新Outlookでは2026年8月7日の更新で、「自分をメンションしているメール」と「組織外から送信されたメール」を受信トレイルールの条件として指定できるようになりました。利用できる時期や画面はテナントの展開状況、メール環境、組織の設定によって異なります。
なお、Microsoftの資料には、新Outlookのカテゴリ解除、完全削除、フラグ操作を含むルールアクションが順次追加されているとする案内がある一方、一部の機能比較ページには未対応とする記載も残っています。必要なアクションが表示されないこともあるため、実際に[設定]>[メール]>[ルール]で利用可否を確認してください。
この記事では、クラシックOutlook、Web版Outlook、新Outlookの違いを踏まえながら、仕分けルールの作り方と実務での使い方を解説します。ここでいうWeb版Outlookは、個人向けMicrosoftアカウントで使うOutlook.comと、職場・学校アカウントで使うOutlook on the webを含みます。両者は画面が似ていますが、既存メールへのルール適用可否や管理ポリシーなどが異なります。企業での利用を前提とする場合は、主にOutlook on the webを対象として考えましょう。
仕分けルールでは、差出人、宛先、件名、本文、添付ファイルの有無、重要度などを条件に、メールの移動、コピー、カテゴリ付与、既読化、転送などを設定できます。実際に選べる条件・アクションは、Outlookの種類、メールアカウントの種類、組織の設定によって異なります。
| 文字列 | 件名、本文、差出人アドレス、宛先アドレスなどに特定の文字列を含むメールを対象にできます。 |
| 差出人・宛先 | 特定の差出人、自分だけに送信されたメール、自分がToまたはCCに含まれるメールなどを条件にできます。 |
| 自分へのメンション | 新Outlookでは、自分が本文中で@メンションされたメールを条件にできます。明示的に担当者として呼ばれたメールへ「要対応」カテゴリを付ける運用に役立ちます。 |
| 組織外からのメール | 2026年8月の新Outlook更新で追加された条件です。組織で外部送信者識別が有効な場合に利用でき、外部メールの整理や注意喚起に使えます。 |
| 重要度・分類 | 重要度、秘密度、カテゴリなどを条件にできる環境があります。カテゴリ解除、完全削除、フラグ操作などのアクションは、展開状況によって表示や利用可否が異なるため確認が必要です。 |
| 添付ファイル | 添付ファイルの有無を条件にできます。請求書、申込書、契約書などの整理に便利です。 |
| メールの状態 | メールサイズ、受信日時、期間などを条件にできる環境があります。 |
| 会議関連 | 会議出席依頼や更新通知などを条件にできます。 |
新Outlook for WindowsとOutlook on the webでは、ルールがメールボックス側に保存されるため、PCとWebで同じルールを使いやすい点がメリットです。一方、ローカルPCでのみ実行する処理は移行後に動作しない可能性があります。新Outlookへ切り替える前には、既存ルールの条件、アクション、対象アカウント、業務上の重要度を棚卸しし、サーバー側ルールとして再現できるか確認しましょう。
| 環境 | ルール作成・編集の考え方 |
| クラシックOutlook | 詳細な条件やクライアント専用ルールを作成できます。新Outlookへの移行時に互換性を失うルールがあるため、重要な処理は見直しが必要です。 |
| 新Outlook for Windows | サーバー側ルールを中心に作成・編集します。2026年8月には@メンションと組織外メールの条件が追加されました。既存メールへの「今すぐ実行」も利用できます。 |
| Outlook on the web | 職場・学校アカウントでサーバー側ルールを作成・編集できます。新Outlookと近い画面ですが、テナントや展開状況により一部操作が異なる場合があります。 |
| Outlook.com | 個人向けMicrosoftアカウント用のWebメールです。既存メッセージへのルール実行はサポートされていないため、以後受信するメールの整理を中心に利用します。 |
| Gmail、Yahoo、iCloudなどの外部アカウント | 新Outlookでは、これらのサードパーティーアカウントに対するOutlookのルールは現在サポートされていません。各メールサービス側のフィルターや自動振り分けを設定します。 |
| スマホ版Outlook | ネイティブな詳細設定画面は限定的です。Microsoft Copilot/Copilot Chatの対応環境ではCopilot経由でルールを操作できますが、詳細な条件や優先順の確認にはPC版またはWeb版を使います。 |
ここでは、現在も多くの企業で利用されているクラシックOutlookを基準に説明します。新Outlookを利用している場合は、[設定]>[メール]>[ルール]から設定します。クラシックOutlookのルールやPOP/PSTに依存した運用は、新OutlookやWeb版でも再現できる形へ段階的に見直すことが重要です。
[詳細オプション]を開くと、複数の条件を組み合わせてルールを作成できます。たとえば「差出人アドレスに特定の文字列が含まれ、件名に『請求書』を含む」といった設定が可能です。条件を選んだ後、画面下部に表示される青字のリンクから、対象アドレスやキーワードを指定します。
条件を細かくしすぎると、表記ゆれなどで必要なメールが対象外になることがあります。最初は対象を絞りすぎずに作成し、実際の受信結果を確認しながら調整すると安全です。
条件に一致したメールへの処理を選びます。代表的なアクションは、指定フォルダーへの移動、コピー、カテゴリ付与、既読化、転送、削除です。フォルダーへ移動する場合は[指定フォルダーへ移動する]を選択し、青字の[指定]から移動先を選びます。フォルダーがなければ、その画面で新規作成できます。
転送や自動返信を利用する際は注意が必要です。誤設定による情報流出やメールループを避けるため、組織外への自動転送は管理者ポリシーに従い、原則として許可制にしましょう。複雑な承認・通知・外部システム連携は、ルールだけで実装せず、Power Automateなどのワークフロー機能を検討します。
条件に一致しても処理したくないメールがある場合は、例外条件を設定します。たとえば、取引先ドメインのメールを移動するルールでも、件名に「至急」を含むメールは受信トレイに残す、といった運用ができます。例外が不要であれば、何も選択せず次へ進みます。
最後にルール名を入力し、必要に応じて既存の受信トレイにも適用します。ルール名は、後から内容と管理責任を把握できる形式にしましょう。たとえば、経理_外部請求書_カテゴリ付与_2026-08確認、営業_自分宛メンション_要対応のように、「所有部署・対象・処理・最終確認日」を含めると、引き継ぎや定期点検をしやすくなります。
[受信トレイ内のメッセージに仕分けルールを適用する]にチェックを入れると、既に受信しているメールにも適用できます。大量のメールを移動する場合は、先に少数のメールで結果を確認してから実行すると安心です。
作成済みのルールは、[ルール]>[仕分けルールと通知の管理]から確認できます。変更したいルールを選択して[仕分けルールの変更]>[仕分けルール設定の編集]を選ぶと、条件やアクションを修正できます。不要なルールは同じ画面で選択して削除します。
ルールを削除しても、既に移動・分類されたメールは元に戻りません。削除前に移動先フォルダーや対象メールを確認し、必要ならルールを無効化してしばらく様子を見る方法も有効です。ルールが突然動かなくなった場合は、すぐに削除・作り直しを行わないでください。組織アカウントでは、管理者がMicrosoft 365管理センターの[正常性]>[サービス正常性]からExchange OnlineやOutlookの障害情報を確認できます。
Web版Outlookでは、ブラウザからサーバー側ルールを設定できます。個人向けのOutlook.comと、職場・学校アカウント向けのOutlook on the webでは仕様が異なるため、利用しているアカウントを確認してから操作しましょう。新Outlook for Windowsも近い画面構成ですが、すべての操作が共通ではありません。
[条件を選択してください]から、差出人、宛先、件名、本文、添付ファイルなどの条件を選びます。特定の差出人からのメールを整理する場合は[差出人]を選び、メールアドレスまたは名前を指定します。条件を追加したい場合は[別の条件を追加]を使います。
新Outlookの対応環境では、自分を@メンションしているメールや、組織外から送信されたメールも条件として選択できます。@メンションは、送信者が本文でメンションを使ったメールだけが対象です。重要度や件名キーワードなどと組み合わせ、対象外のメールが出ることを前提に運用しましょう。
[アクションを選択してください]から、条件に一致したメールの処理を選択します。フォルダーに移動する場合は[指定の場所に移動]を選び、移動先フォルダーを指定します。必要に応じて、カテゴリ付与や既読化などのアクションを追加します。
職場または学校アカウントの新Outlookでは、ルールによってメールが別フォルダーへ移動した際の通知を有効にできる環境があります。重要メールを自動移動する場合は、移動先フォルダーをお気に入りに追加し、通知設定を利用できるか確認しましょう。クラシックOutlookのカスタム音を鳴らす機能と同一ではない点には注意が必要です。
新OutlookとWeb版では、クラシックOutlookと同じアクションがすべて利用できるわけではありません。スクリプト実行、自動印刷など、ローカルPCに依存する処理を使っている場合は、カテゴリ、ピン留め、スヌーズ、検索、Power Automateなどへ運用を置き換えられないか検討しましょう。
[例外を追加]から、差出人、件名、日付、重要度などの例外を設定できます。たとえば、定例レポートを自動アーカイブするルールに対し、「至急」を含むメールだけは例外として受信トレイに残す、といった設定が可能です。
設定を確認して[保存]をクリックすると、以後受信するメールにルールが適用されます。新Outlook for Windowsでは、[設定]>[メール]>[ルール]から既存メールにルールを実行できます。一方、個人向けOutlook.comでは既存メールへのルール実行はサポートされていません。職場・学校向けOutlook on the webでは、テナントや画面の展開状況によって操作が異なるため、実際のルール一覧で確認してください。
新Outlook for Windowsでは、Ctrl+Y、またはメールボックスのコンテキストメニューから[フォルダーに移動]ダイアログを開き、フォルダー名を検索できます。自動振り分け先のフォルダーが増えた場合や、ルール対象外のメールを手動で補正する場合に便利です。これは新Outlook for Windowsの機能として案内されているため、Web版で同じショートカットが使えるとは限りません。
[設定]>[メール]>[ルール]で、作成済みルールを確認できます。鉛筆アイコンから条件・アクションを編集し、不要なルールはゴミ箱アイコンから削除します。ルールが複数ある場合は、意図しない重複処理を防ぐため、優先順、対象条件、例外を定期的に確認してください。
メールを手動で移動できない場合も、必ずしもルールやフォルダー設定が原因とは限りません。新OutlookやWeb版では、サービス側の更新によってドラッグ&ドロップなど特定の操作だけが一時的に失敗することがあります。右クリックからの移動を試し、複数ユーザーで同じ問題が起きている場合は、サービス正常性を確認しましょう。
新Outlookでは、ルールをサーバー側で管理する方向に統一しています。PCとWebで同じルールを使いやすい一方、クラシックOutlookのクライアント専用ルールは利用できません。音声通知、スクリプト実行、自動印刷など、ローカルPCに依存する処理を使っている場合は、移行前に代替手段を用意することが重要です。
Microsoft Copilot/Copilot Chatの対応環境では、自然言語によるルールの作成・表示に加え、既存ルールの更新、無効化、削除も行えます。たとえば「請求書ルールの移動先を経理フォルダーに変更して」「ニュースレタールールを無効にして」「現在有効になっているルールを一覧表示して」のように指示できます。利用可否は、ライセンス、職場または学校アカウントの種類、管理者設定、アプリ、展開状況によって異なります。
Copilotは変更・削除の前に対象ルールと変更内容を示し、確認を求めます。承認する前に、条件、移動先、例外、影響範囲を確認しましょう。削除を依頼するときは、類似した名前のルールを誤認しないよう、ルール名だけでなく条件も指定することをおすすめします。
Copilotで作成または変更したルールは、将来受信するメールに適用されます。受信済みメールを遡って処理する機能ではないため、必要に応じて新Outlook for Windowsの[今すぐ実行]や、検索後の手動移動を使い分けてください。
新Outlook移行ではルール以外のメール機能も確認する
新Outlookでは、クラシックOutlookのCOM/VSTOアドインをそのまま利用できません。誤送信防止、CRM・SFA連携、メール保存、電子契約、添付ファイル処理などの周辺機能も確認が必要です。新旧Outlookを併用する移行期間には、ルールだけでなく、メール関連アドインの対応クライアント、展開方法、利用部署を一覧化しましょう。
同じ会社の担当者から届くメールをまとめて整理したい場合は、メールアドレスを個別に登録するより、会社ドメインを条件にする方法が便利です。ドメインとはメールアドレスの@以降の部分です。
たとえば、ABC株式会社のメールアドレスがname@abc.comのように統一されている場合、差出人アドレスに@abc.comを含むメールを「ABC株式会社」フォルダーへ移動するルールを作成できます。
@abc.comを追加します。新OutlookやWeb版Outlookでは、[設定]>[メール]>[ルール]から新しいルールを作成し、差出人に対象アドレスまたはドメイン、アクションに移動先フォルダーを指定します。ドメイン指定の可否や入力方法は画面・アカウント種別により異なるため、実際のメールで動作を確認してください。
組織で外部送信者識別機能が有効なら、「組織外からのメール」かつ件名に「請求書」を含むメールへ「外部請求書」カテゴリを付ける、といったルールも作成できます。これは、件名に[External]という文字列が含まれるかを判定する従来のメールフロールールとは別の仕組みです。組織が件名へ[External]を付けるメールフロールールも運用している場合は、表示や条件が重複しないか管理者へ確認しましょう。
「外部」は安全性を保証するラベルではありません。外部メールをすべて別フォルダーへ移動・削除すると、顧客、取引先、応募者、行政機関などからの重要連絡を見落とすおそれがあります。最初はカテゴリ付与やフラグ付けで視認性を高め、請求書、見積、障害などのキーワード、添付ファイルの有無、VIP送信者の例外を組み合わせる運用が安全です。
なお、ドメインだけで判定すると、なりすましメールや意図しない送信元まで対象になる可能性があります。重要な取引先メールを処理する場合は、特定のメールアドレス、件名、添付ファイルの有無なども組み合わせると精度を高められます。
後で対応するメールを受信トレイに置いたままにすると、対応漏れや二重対応が起きやすくなります。対応状況をカテゴリで管理すると、メールを移動しすぎず、進捗を把握しやすくなります。
まず、「要対応」「確認中」「対応済み」など、チームで共通して使うカテゴリを決めます。クラシックOutlookでは[分類]>[すべての分類項目]からカテゴリ名や色を設定できます。新Outlookでもカテゴリを活用でき、カテゴリをお気に入りへ追加すれば、左側のフォルダーペインからカテゴリ別のメールを表示しやすくなります。
実務では、次のような流れが分かりやすいでしょう。
@メンションされたメールを「要対応」にする
新Outlookの対応環境では、自分を@メンションしているメールに「要対応」カテゴリを付けるルールを設定できます。CCに入っているだけの共有メールと、自分へ明示的に依頼されたメールを分けやすくなる方法です。ただし、送信者が@メンションを使わなければ対象になりません。重要度、特定キーワード、特定の差出人などの条件と組み合わせてください。
対応状況は頻繁に変わるため、カテゴリを付けた後に自動で別フォルダーへ移すよりも、カテゴリを軸に検索・表示する運用が適するケースが多くあります。「要対応」「確認中」など頻繁に見るカテゴリはお気に入りへ追加すると、フォルダーを増やしすぎずに対応状況を確認できます。フォルダー移動にこだわらず、カテゴリ、ピン留め、スヌーズを組み合わせると、対応中メールを見失いにくくなります。
クラシックOutlookでカテゴリを条件にフォルダーへ移動するルールを作る場合は、[仕分けルールと通知の管理]から新しいルールを作成し、条件に[分類項目が(分類項目)の場合]、アクションに[指定フォルダーへ移動する]を設定します。この方法は手動でカテゴリを付けた後にルールを実行する運用となるため、チーム内で操作手順を統一しておきましょう。
メールを整理する際は、「自分で作成した仕分けルール」と「迷惑メール対策による判定」を分けて考える必要があります。重要なメールが迷惑メールフォルダーに隔離されると、受信トレイ向けに作成したルールどおりに処理されないことがあります。
営業、購買、請求、採用などの重要メールが見当たらない場合は、ルールだけでなく迷惑メールフォルダー、信頼できる差出人、メールセキュリティ製品の判定も確認しましょう。重要な送信元を許可リストへ登録する際も、安易にドメイン全体を信頼するのではなく、組織のセキュリティポリシーに従うことが大切です。
Microsoft 365を利用している組織では、Exchange Onlineの外部送信者識別機能を有効にすることで、組織外から届いたメールに「外部」表示を出せます。新Outlookの対応環境では、この外部属性を受信トレイルールの条件として利用できます。ただし、外部表示や仕分けルールは、なりすましやマルウェアの有無を判定する機能ではありません。自動削除ではなく、カテゴリ付与や確認用フォルダーへの移動など、注意を促す用途に適しています。
また、仕分けルールは添付ファイルの安全性を判定する機能ではありません。「添付ファイルあり」を条件に請求書フォルダーへ移動したとしても、安全な添付ファイルであることを意味しません。隔離・削除・通報は、Outlookの個人ルールではなく組織のメールセキュリティ手順に従いましょう。
仕分けルールは便利ですが、増やしすぎると「どのメールがどこへ移動したか」を追えなくなります。自動化する処理は、送信元や目的が明確で、誤判定時の影響が小さいものから始めるのが基本です。不要なメールマガジンは配信停止し、メールではなくTeamsやSlackなどで進められる社内連絡は移行するなど、受信量そのものを減らす工夫も重要です。
フォルダー構成とカテゴリ体系は、部署や業務フローに合わせてシンプルに設計しましょう。フォルダーは「取引先」「プロジェクト」「保管」など比較的固定の分類に使い、カテゴリは「要対応」「確認中」「対応済み」といった変化する状態の管理に使うと整理しやすくなります。
新Outlookへの移行を見据えるなら、差出人、件名キーワード、本文キーワード、添付ファイルの有無、@メンション、カテゴリ付与、フォルダー移動など、新OutlookとWeb版でも再現しやすい条件・アクションを中心に設計することが重要です。クラシックOutlookのクライアント専用ルール、ローカルPSTファイル、POPアカウント、VBAやスクリプトに依存した処理は、長期的な見直し対象です。Gmail、Yahoo、iCloudなどの外部アカウントは、新Outlookのルールではなく各サービス側のフィルターを使いましょう。
また、ルールでメールをフォルダーへ移動した後に、CRM、SFA、ERP、電子契約、メールアーカイブ、Power Automateなどの連携処理が続く場合は、業務フロー全体をテストしてください。ルールによる移動だけ成功しても、アドインや連携サービスが動作しなければ業務処理は止まります。特に新Outlook移行時は、利用中のアドインが新Outlook、クラシックOutlook、Web版のどれに対応するかを確認します。
トラブル時は、症状を分けて切り分けることも大切です。メールが移動しない場合は、ルールの条件、優先順、例外、サービス状態を確認します。メールは移動するのに業務システムへ登録するボタンが表示されない場合は、アドインの障害やクライアント互換性を確認します。一部ユーザーだけで発生する場合は、Outlookの版、32/64ビット、利用アカウント、アドインの展開状況を比較しましょう。
新Outlookでは、ピン留め、スヌーズ、Sweep(同一送信元メールの整理)など、ルール以外の受信トレイ整理機能も利用できます。スヌーズは後で確認したいメールを一時的に非表示にし、指定時刻に再通知する機能です。すぐに処理できないメールを受信トレイに残し続けるより、期限を決めて再表示させる運用に役立ちます。
ルールが動かない、手動移動できない、複数ユーザーで同じ事象が起きている場合は、個人の設定を変更する前にサービス正常性を確認しましょう。組織の管理者はMicrosoft 365管理センターの[正常性]>[サービス正常性]を確認し、問い合わせ時には発生時刻、利用しているOutlookの種類、対象アカウント、サービス正常性の状況を記録しておくと切り分けがスムーズです。ルールを削除する前に、設定内容や画面のスクリーンショットも保存してください。
ルールは一度作って終わりではありません。月次・四半期ごとなど定期的に一覧を見直し、不要なルールを無効化・削除し、条件やフォルダー構成を現行業務に合わせて更新しましょう。「どのメールを優先するか」「どの処理なら自動化してよいか」「人による確認が必要な処理は何か」を整理しておけば、CopilotやPower Automateを活用する際にも、安全で保守しやすいメール運用につながります。
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