コミュニケーションツールとして広く利用されているMicrosoft Teamsには、パソコンにインストールして使うデスクトップアプリ版のほか、ブラウザから利用できるWeb版、スマートフォン向けアプリが用意されています。
この記事では、TeamsのWeb版を中心に、アプリ版との違い、ブラウザでの使い方、利用時のメリット・デメリットを解説します。
この記事を読むことで、つぎのことが分かります。
Web版のTeamsを正しく使い分けて、社内外とのコミュニケーションをよりスムーズにしていきましょう。
Web版のTeamsは、パソコンにTeamsアプリをインストールしなくても、ブラウザからTeamsを利用できるサービスです。出張先の端末、社内の共有PC、シンクライアント端末、Chromebookなど、デスクトップアプリを入れにくい環境でもTeamsにアクセスできる点が大きな特徴です。
最近では、Microsoft EdgeやGoogle Chromeの機能を使ってTeamsをPWAのようにインストールし、単独ウィンドウで起動する使い方もできます。通常のブラウザタブよりもアプリに近い操作感で利用できるため、Web版を日常的に使う場合に便利です。
以前のWeb版Teamsは、デスクトップアプリ版に比べると利用できる機能が限られていました。しかし現在は、チャット、チーム・チャネルの閲覧、ファイル共有、Teams会議への参加、画面共有など、日常業務で使う主要機能の多くをブラウザから利用できます。
一方で、Web版はブラウザの対応状況に強く依存します。2026年5月15日以降、TeamsのWeb版はECMAScript 2022、いわゆるES2022に対応したブラウザが必須となり、Chrome 94やEdge 94などの古いブラウザからのアクセスはブロックされています。
そのため、共有PC、シンクライアント、Chromebook、Linux端末など、OSやブラウザの更新管理が行き届きにくい端末でWeb版Teamsを使っている場合は注意が必要です。IT部門では、利用端末のブラウザバージョンを棚卸しし、必要に応じて更新や利用者への周知を行いましょう。
Web版Teamsを利用する主なブラウザの考え方は、つぎのとおりです。
| Microsoft Edge | 利用可能。Teamsとの親和性が高く、業務利用では推奨されるブラウザです。 |
| Google Chrome | 利用可能。Web版Teamsを安定して使いやすい代表的なブラウザです。 |
| Safari | 利用可能。ただし、機能や会議体験はEdgeやChromeと異なる場合があります。 |
| Firefox | 一部機能に制限が出る場合があります。会議機能を重視する場合はEdgeまたはChromeが無難です。 |
| Internet Explorer | サポート対象外です。ブラウザ自体も廃止済みのため利用できません。 |
Web版を安定して使うには、対応ブラウザを最新の状態に保つことが重要です。社内ポリシーでデスクトップアプリのインストールを禁止しているためWeb版を使っている場合も、現在のTeamsデスクトップアプリは軽量化・高速化が進んでいるため、運用方針を見直す価値があります。
TeamsのWeb版とデスクトップアプリ版は、どちらもチャットや会議、ファイル共有に対応しています。通常の連絡や簡単な会議参加であれば、Web版でも十分に対応できます。
ただし、会議の主催、映像表現、大規模イベント、端末との連携、複数ウィンドウでの操作性などでは、デスクトップアプリ版のほうが有利な場面があります。ここでは主な違いを整理します。
Web版でも、カメラをオンにした会議参加や背景ぼかしなどの基本的な機能を利用できます。ただし、背景画像の細かな設定、カスタム背景の扱い、会議中の表示制御などは、デスクトップアプリ版のほうが機能が充実しています。
なお、参加者を同じ仮想空間に並べて表示していたTogetherモードは、2026年6月末で提供が終了しました。今後は、ギャラリービューやラージギャラリーなど、現在利用できる会議レイアウトを前提に運用する必要があります。社内研修やオンラインイベントの手順書でTogetherモードやカスタムシーンを案内していた場合は、代替レイアウトに置き換えておきましょう。
会議中に参加者を小グループへ分けるブレイクアウトルームは、研修やワークショップで便利な機能です。現在は大規模会議での対応も強化され、最大1,000名規模の会議でもブレイクアウトルームを利用できるようになっています。
ただし、会議の主催者としてブレイクアウトルームを細かく管理する場合は、デスクトップアプリ版を使うほうが安心です。Web版は参加や基本操作には便利ですが、大人数の会議運営やトラブル対応まで考えると、主催者はデスクトップアプリ版を利用するのがおすすめです。
大規模イベントについては、従来のTeamsライブイベントからTeams Town hallへの移行が進んでいます。2026年6月30日をもって旧ライブイベントの新規スケジュール作成は停止され、2026年7月以降に新しいイベントを作成する場合はTown hallを利用する必要があります。既存予約分は一定期間開催できますが、今後の全社会議、社外向けセミナー、オンライン説明会は早めにTown hall前提の運用へ切り替えましょう。
Town hallでは、Microsoft 365の標準ライセンスで最大1万名、Teams Premiumで最大2万名、追加アドオンのAttendee Capacity Packにより最大10万名規模まで対応できます。Teams Premiumでは、背景に自社ロゴやイベントテーマに合わせたカスタム画像を設定できるため、ブランドイメージを重視した配信にも使いやすくなっています。
Web版Teamsは、ブラウザさえあればすぐに使える手軽さが魅力です。一方で、複数チャットを別ウィンドウで開く操作、通知や通話デバイスとの連携、会議中の細かな表示調整などは、デスクトップアプリ版のほうが快適に使えることがあります。
現在の新しいTeamsデスクトップアプリは、従来版に比べてパフォーマンスが大きく改善されています。Microsoftの案内では、メモリ消費を最大50%削減し、起動や会議参加も平均で約2倍高速化されています。低スペック端末や会議の多い利用者ほど、デスクトップアプリ版への移行メリットを感じやすいでしょう。
また、Teams上で共有されたWord、Excel、PowerPointファイルは、Teams内ビューアではなく、デスクトップアプリまたはWeb版のOfficeで開く挙動が既定になっています。よりリッチな編集体験を優先した変更ですが、従来の開き方に慣れているユーザーには事前に案内しておくと混乱を防げます。
デスクトップアプリ版も内部でEdge WebView2などの仕組みに依存しているため、ブラウザ更新の影響を受ける場合があります。2026年4月にはEdgeの更新に起因してTeamsデスクトップアプリのチャットで右クリック貼り付けができない不具合が報告されましたが、その後の更新で解消されています。同様の不具合が疑われる場合は、まずTeams、Edge、WebView2を最新版に更新してから状況を確認しましょう。
デスクトップアプリ版を利用する場合は、OSのサポート状況にも注意が必要です。たとえばmacOS 13 Ventura向けのTeamsデスクトップアプリ更新は2026年5月に停止され、2026年7月15日以降はmacOS 13上のTeamsアプリが使用できなくなる見込みです。
Mac利用者がいる組織では、対象端末を早めに洗い出し、macOS 14以降へのアップグレード計画を立てておきましょう。OS更新が難しい端末では、一時的にWeb版Teamsへ切り替える運用も選択肢になります。ただし、その場合もブラウザがTeams Web版の要件を満たしているか確認が必要です。
ここでは、Web版Teamsの起動方法と、利用後に必ず確認したいサインアウトの注意点を解説します。
Web版Teamsの起動方法は、つぎのとおりです。
これでWeb版Teamsを利用できます。自分専用のパソコンであれば、次回以降もスムーズにアクセスできます。共有PCや借りた端末では、サインイン状態を残さないように注意してください。
Web版Teamsを自分専用のパソコンで使う場合は、ブラウザを閉じるだけで問題ないケースもあります。しかし、共有PC、ホテルや会議室の端末、他人から借りたパソコンで利用した場合は、作業後に必ずサインアウトしましょう。
サインアウトの手順は、つぎのとおりです。
共有端末でサインイン状態が残ると、次に使う人がチャットやファイルにアクセスできてしまうおそれがあります。Web版Teamsは手軽に使える反面、利用後のサインアウトを徹底することが重要です。
また、Teams利用者を狙うソーシャルエンジニアリング攻撃にも注意が必要です。海外では、攻撃者が社内ITヘルプデスクを装ってTeamsのチャットや通話で接触し、Windowsの遠隔支援機能Quick Assistを使わせて端末を乗っ取る手口が報告されています。大量のスパムメールで利用者を不安にさせたあと、問題対応を装って接続コードの入力へ誘導する流れです。
日本企業でも、Teamsサポートや社内IT担当を名乗る不審な連絡には安易に応じない、遠隔操作の依頼は社内の正式な問い合わせ窓口で確認する、といった教育が必要です。チャット、会議、通話のいずれでも、相手の表示名だけで信用せず、社内で定めた確認手順に従いましょう。
Teamsではチームを作成することで、メンバー同士のグループチャット、ファイル共有、会議、タスク管理などをまとめて行えます。Web版でも、基本的なチーム・チャネル操作は利用できます。
Teamsチームを作る手順は、つぎのとおりです。
チームを作成すると、メンバー向けの投稿、ファイル共有、会議の開始などを同じ場所で行えるようになります。
Teamsチームを使うと、チーム内のメンバーと簡単にグループチャットやファイル共有ができます。
左側のメニューからチームを選択し、確認したいチームやチャネルを開くと、投稿画面が表示されます。ここで、メンバー全員に共有したい連絡や相談を投稿できます。メッセージ作成欄では、@を使ったメンションに加え、ファイルやチャットを検索して挿入できる機能も拡充されており、必要な情報を会話に添付しやすくなっています。
ファイルタブを選択すると、チームで共有しているファイルを確認したり、新しいファイルをアップロードしたりできます。Teams上のファイルはSharePoint OnlineなどMicrosoft 365の基盤と連携して管理されるため、アクセス権限を意識しながら運用することが大切です。
外部ユーザーとのやり取りが多い組織では、セキュリティ面の運用も整えておきましょう。Teamsでは、チャット、会議、チャネル上で不審な外部ユーザーを報告できる機能が2026年6月末までに一般提供され、現在はテナント管理者の設定により利用できます。
利用者には、外部ユーザーとのチャットやゲスト参加で違和感があった場合、ユーザー名やメッセージのメニューから報告する手順を周知しておくと安心です。報告内容は管理者側で確認できるため、なりすましやフィッシングの疑いがある相手をブロックしたり、関係者へ注意喚起したりする初動対応を早められます。IT部門やCSIRT側でも、報告を受けた後の確認・遮断・利用者への連絡の流れを決めておきましょう。
チーム内では、目的ごとにチャネルを作成できます。チャネルを分けることで、情報が整理され、必要なやり取りを探しやすくなります。
たとえば、総務チームの中に、勤怠スケジュール、備品管理、社内イベントといったチャネルを作成しておくと、休暇や出張の連絡、備品の貸し出し、イベント準備の相談を分けて管理できます。
チャネルの作成手順は、つぎのとおりです。
作成したチャネルを開き、投稿タブでメッセージを送信すると、そのテーマに沿った会話をまとめられます。チャネルごとにファイルも整理されるため、あとから資料を探す際にも便利です。通知設定もチャネル単位で細かく調整できるため、重要なチャネルは新規投稿を通知し、確認頻度が低いチャネルはメンションのみ通知するなど、業務に合わせて使い分けましょう。
Teamsは、Microsoft 365 CopilotなどのAI機能との連携も進んでいます。会議の要約、過去の会議内容からの重要事項抽出、議論の振り返りなど、会議後の確認作業を効率化する機能が拡充されています。
さらに、会議中の質問や不明点をAIが検知し、必要に応じて関連情報を提示するファシリテーター機能のような新しいAIエージェントも登場しています。ただし、会議内容をAIが扱うことへのプライバシー懸念もあるため、この種の機能は管理者が有効化を選択する形で提供され、デフォルトでは無効とされています。
機密性の高い会議では、主催者が会議ごとにCopilot、ファシリテーター、インテリジェント要約などをオフにできる設定も用意されています。録画や文字起こしの扱いだけでなく、AIに会議内容を処理させるかどうかを会議の性質に応じて判断することが重要です。
国内でも、NTTドコモがMicrosoft 365 E5を全社導入し、Microsoft 365 Copilotを約2.7万ユーザーへ展開するなど、Teamsを含むMicrosoft 365基盤と生成AIを組み合わせた業務改革が本格化しています。同社では高い月間アクティブユーザー率や生産性向上の成果も示されており、AIを単独ツールとして導入するのではなく、日常業務の流れに組み込むことの重要性が分かります。
ただし、AI機能を使う場合は、便利さだけでなく情報ガバナンスも重要です。会議内容、チャット、ファイルに含まれる機密情報をどの範囲でAIに扱わせるか、社内ポリシーを整備したうえで活用しましょう。Wi-Fi接続をもとに勤務場所を自動更新するようなハイブリッドワーク支援機能も登場しているため、利用目的の説明、同意、オプトアウトの扱いなど、従業員のプライバシーに配慮した運用が求められます。
TeamsのWeb版は、ブラウザからすぐに利用できる便利な方法です。デスクトップアプリをインストールしていない端末でも、チャット、会議参加、ファイル確認などを行えるため、出張中や共有PCでの一時利用にも向いています。
一方で、Web版Teamsはブラウザ環境に依存します。2026年5月15日以降はES2022対応ブラウザが必須となっており、古いChromeやEdgeでは利用できません。安定して使うには、ブラウザとOSを最新の状態に保つことが欠かせません。
会議の主催、大規模イベント、ブレイクアウトルーム、背景設定、複数ウィンドウ操作などを重視する場合は、デスクトップアプリ版の利用も検討しましょう。現在の新しいTeamsデスクトップアプリは軽量化と高速化が進んでおり、日常的にTeamsを使うユーザーには大きなメリットがあります。
また、Togetherモードはすでに提供終了し、旧ライブイベントの新規作成も停止されています。macOS 13向けTeamsアプリの利用停止、外部ユーザー報告機能の一般提供、AI会議支援機能の拡充など、Teamsの機能や利用条件は継続的に変化しています。組織で利用する場合は、IT部門が最新情報を確認し、利用者へ分かりやすく周知することが重要です。
Web版とアプリ版の特徴を理解し、自社の端末環境やセキュリティポリシーに合わせて使い分けることで、Teamsをより安全かつ効率的に活用できます。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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