チームを円滑に運営するためには、必要なコミュニケーションは残し、必要のないコミュニケーションをカットする必要があります。チャットツールや社内ポータルサイトの導入に加え、「予定を共有」することも効果的な手段の1つです。国際的なビジネスシーンでも、予定表はただの日時情報ではなく、目的やコンテキストを共有するプラットフォームとして活用される傾向が強まっています。
一方で、日本企業ではOutlook予定表の共有設定に起因するトラブルが多く、ユーザーの約65%が共有や権限設定の問題を一度は経験しており、使いこなせている企業は半数未満という調査結果もあります。設定ミスや同期遅延による「ダブルブッキング」や突然の空き時間消失を防ぎ、正確な共有設定を徹底することが重要です。
特に国内では、「スケジューラーはGaroonなどのグループウェア、Web会議はTeams/Outlook」といった二重管理が課題になりがちでした。しかし近年は連携強化が進んでおり、2024年の同期ツールの新バージョンではリアルタイム双方向同期が実現しています。さらに、2026年春頃(5月前後)に正式リリース予定のサイボウズ「連携コネクタ」(現在プレリリース版提供中)を活用すれば、ノーコードでGaroon/kintoneとOutlook予定表の双方向同期が可能になります。重複入力や手動転記を防ぎ、予定表を一カ所で管理することは業務効率化の鍵となります。
また、2026年7月1日からはMicrosoft 365の商用プラン価格が全世界で改定され、日本でもBusiness Basicで約+16.7%、Enterprise E3で約+7.7%の値上げが予定されています。この価格改定はCopilot(生成AI)連携やセキュリティ強化による価値向上が理由とされており、今後はこれら新機能をフル活用してツールの投資対効果(ROI)を高める姿勢が求められます。
この記事では、Outlookを使った予定の共有・調整方法を3つ紹介します。Microsoftは当初、新しいOutlookへの企業向け移行を2026年4月に予定していましたが、品質改善と機能追加のため2027年3月まで期限を延長しました。そのため、この記事ではパソコンにインストールされている「従来のデスクトップ版(Classic Outlook)」と、ブラウザで使う「Web版」および最新の「新しいOutlook(New Outlook for Windows)」それぞれでの設定方法を解説します。


Outlook予定表の共有機能を使うと、自分のカレンダーにメンバーの予定表を表示できます。
この共有した予定表をグループ化して、まとめて表示・非表示を切り替えできるようにするのが「予定表グループ」です。
予定表グループのメリット
おススメの使い方
先にグループに入れるメンバーに予定表の共有を依頼しましょう。
予定表が共有できたら、「予定表グループ」を作成します。

[個人用の予定]の上で右クリックします。
[新しい予定表グループ]をクリックしてください。

予定表グループ名を入力して、[Enterキー]を押します。

次に、グループにメンバーを入れましょう。
メンバーのカレンダー名をクリックした状態でグループ名の上まで持っていき、グループ名の上でクリックを離します(ドラッグ&ドロップします)。
グループ名の直下にメンバーの名前が入りました。
他のメンバーも同じようにします。

予定表をメンバーごとに分けて表示するには、メンバー名の左側にある[→]をクリックすると表示を変更できます。
1つにまとめて表示したい場合は、[←]をクリックしましょう。
追加メンバーに予定を共有してもらいます。

共有依頼メールが届いたら、[承諾]をして自分の予定表に表示させましょう。

個人用の予定表に表示されたメンバー名をクリックした状態でグループ名の上まで持っていき、グループ名の上でクリックを離します(ドラッグ&ドロップします)。

メンバーの予定表を削除する場合は、削除するメンバー名を右クリックします。
[予定表の削除]をクリックしてください。

Web版や新しいOutlookも操作はほぼ同じです。
[個人の予定表]の上にマウスポインタを置きます。
[…]が表示されますので、クリックしましょう。
[新しい予定グループ]をクリックします。

予定表グループ名を入力して、[Enterキー]で確定します。

メンバーをグループに追加するには、メンバー名をドラッグ&ドロップして予定表グループ名に入れましょう。
なお、新しいOutlookおよびグローバル版では、組織のレポートラインに基づいて同僚のカレンダーを自動表示する新機能「Teammate Calendars」が2026年3月以降に順次展開されています。この機能が実装されれば、ユーザーが手動で予定表グループを作成しなくても、上司・直属の部下・ピアの予定が自動で一覧表示されるようになります。コラボレーション効率が上がる一方で、急に予定が見えるようになる心理的負担やプライバシー懸念の声もあるため、チーム内で「予定の件名は伏せる」「空き時間のみ表示する」などの公開ルールを事前に話し合っておくと安心です。

2027年3月まで企業での利用が可能な「従来のデスクトップ版(Classic Outlook)」の予定表には、「日・週・月」以外に「グループスケジュール」という表示方法があります。
グループスケジュール表示をすると、予定表を縦に並べてスケジュールの比較をすることができます。
予定を横並びにするメリット
おススメの使い方

表示したい予定表にチェックを入れます。グループスケジュール表示してからでも変更できます。
次に、リボンメニューから[グループスケジュール]をクリックします。

表示が切り替わりました。

カレンダーの[>]をクリックすると次月を表示します。
別の週を表示するには、カレンダーの日付をクリックします。

グループスケジュールは1週間分の予定を表示します。
右にスクロールすると先の予定が確認できます。
次の日の予定を確認する場合は、カレンダー左上にある[>]をクリックしましょう。
グループスケジュール表示では、稼働時間外を表示しません。
稼働時間はオプションで変更できます。

[ファイル]を開きます。

[オプション]をクリックします。

[予定表]をクリックしましょう。
稼働時間の項目を変更し、[OK]をクリックします。

予定表のチェックをオフにすると、非表示になります。
表示追加する場合は、チェックをオンにしましょう。

会議を入れたい日時をクリックして青くします。
[Shiftキー]を押しながらクリックすると、複数選択できます。

[新しい会議]をクリックし、[全員と会議]をクリックします。

メール作成画面が起動します。
次の項目が自動でセットされます。
タイトル、参加者などを追加編集して、送信します。
グローバルなビジネスシーンでは「アジェンダ(議題)のない会議招集はNG」という認識が強まっており、2025年の調査では「必要性の低い会議招待を辞退する」と答えた人が73%に上るなど、優先度の精査が求められています。Microsoft 365 Copilotライセンスがある場合、Outlookでの会議作成時にCopilotが会議タイトルや関連するメール・チャット履歴をもとに、アジェンダ案を自動生成してくれます。さらに海外のSaaS業界では、AIが各人の負荷やタイムゾーンを考慮して「誰といつ会うべきか」を提案・自動調整し、チーム全体の時間を最適化(Time Orchestration)する動きも広がっています。こうした機能を活用し、参加者全員が目的を把握した上でミーティングに臨める環境を作ることで、会議の質が大きく向上します。

カレンダーに予定が追加されました。
従来のデスクトップ版にあった「グループスケジュール」という機能は、Web版および新しいOutlook(New Outlook)には存在しません。
しかし、代わりに予定表の「分割ビュー(Split View)」や、会議作成画面の「スケジューリング アシスタント(Scheduling Assistant)」機能を使用することで、同様にメンバーの予定を横並びで確認・調整することが可能です。
スケジューリングアシスタント画面では、参加者全員の空き時間を統合して表示するバーが備わっており、重複のない時間帯を容易に見つけられます。さらに画面内に「送信」ボタンも配置されているため、画面を移動することなくスムーズに会議設定が完了します。今後は「Teammate Calendars」機能の自動表示と組み合わせて、これらの代替機能を活用する習慣をつけることをお勧めします。

1つの予定表を複数のメンバーで編集・閲覧する方法を紹介します。
共有予定表のメリット
おススメの使い方

[予定表の追加]を開き、[新しい空白の予定表を作成]をクリックします。

[名前]に予定表の名前を入力します。
次に、[フォルダーを作成する場所]で[予定表]をクリックして[OK]します。

先ほど作成した予定表の名前を右クリックしてください。
メニューの中から[共有アクセス許可]をクリックします。

プロパティのアクセス権タブが開きました。
[追加]をクリックします。
メンバーの連絡先をダブルクリックすると追加できます。
続けて他のメンバーをダブルクリックして追加していきましょう。
グループ連絡先は選択できません。
登録できたら、[OK]をクリックします。

アクセス許可レベルを変更しましょう。
共同編集者にしたいメンバーをクリックして選択します。
アクセス権の[編集可能]にチェックを入れます。
すべて変更が完了したら、[OK]をクリックして閉じます。
インターネットブラウザ(Edge、Chromeなど)でOutlookを開きます。

[予定表を追加]をクリックします。

[空白の予定表を作成する]をクリックします。
すべて入力できたら、[保存]をクリックします。

先ほど作成した予定表名にマウスを乗せ、[…]マークが表示されたらクリックします。
[共有とアクセス許可]をクリックしてください。

共有メンバーを登録しましょう。
検索枠にメンバーの名前やメールアドレスの一部を入力します。
表示された共有メンバーをクリックして選択します。

アクセス許可レベルを選択したら、[共有]をクリックします。

共有ができました。
続けて他のメンバーも先ほどと同じように追加していきます。
設定が完了したら、右上の[×]マークをクリックして閉じましょう。
Outlookを使った予定表の共有方法を3つ紹介しました。
①メンバーの予定表をグループ化する方法
まとめて予定が確認できるので、問い合わせ対応をされている方、メンバーのスケジュールを把握しておく必要のあるマネージャーの方におすすめの方法です。今後は新しいOutlookの「Teammate Calendars」機能により、手動でのグループ化すら不要になっていく見込みです。
②メンバーの予定を横並びにして比較し、会議の招待メールを送る方法
チームメンバーの空き時間を探すのに最適な方法です。新しいOutlookへの完全移行猶予(2027年3月まで)の間は従来の「グループスケジュール」も重宝しますが、今後は「スケジューリング アシスタント」や「分割ビュー」を使いこなすことが求められます。AIを活用して「議題なき会議」をなくし、会議の質を高めましょう。
③1つのカレンダーを共有する方法
複数のメンバーで編集、閲覧できるため、社内の共有カレンダーとして利用したり、現場などパソコンに入力する時間がない方の予定を事務メンバーが代理入力したりできます。誰がどこまで閲覧・編集できるか明確なルールを定めることで、情報漏洩を防ぎ安全に運用できます。
さらに2026年以降は、Copilot Chatが予定表を理解して情報整理を行う機能や、サイボウズなど他社グループウェアとのシームレスな同期連携、AIがスケジューリングの負荷を最適化する機能が拡充されます。予定表を単なる日時の記録ではなく、コンテキスト共有のプラットフォームとして賢く運用し、チームの業務効率とコミュニケーションを最適化していきましょう。
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