
<p>スマホやタブレットなどを使って情報を得たり、SNSなどを通じて他者とコミュニケーションをとったりすることが当たり前となっている現代社会において、学校現場においても、デジタル技術の効果的な活用が求められています。</p>



<p>そんな中、GIGAスクール構想による学校へのデジタル機器の普及が進められていますが、どのようなデジタル教材を使えば良いか悩んでいる学校や教員も多いのではないでしょうか。</p>



<p>この記事では、デジタル教材とはどのようなものか、そのメリットや具体的な活用事例とともに解説していきます。</p>



<h2 class="wp-block-heading">デジタル教材とは</h2>



<p>デジタル教材とは、オンラインや内蔵された資料にアクセスし、必要な情報を検索する調べ学習に活用されたり、動画や音声等を使って学習内容の理解をより深められる教材です。</p>



<p>インターネットと組み合わせることができるため、教員や子どもたちの発想により、多角的な教育や学習を想像することも可能です。</p>



<p>一人一台の端末の整備が進んでいる現在においては、デジタル教材の活用は必須と言ってよいでしょう。</p>



<h3 class="wp-block-heading">デジタル教材導入の目的と背景</h3>



<p>政府は、GIGAスクール構想を推進する中で、一人一台端末をはじめとする教育DXを進めてきました。これにより、デジタル教材の効果的な活用が教育現場において非常に需要になってきています。</p>



<p>従来のアナログな学習よりも児童生徒の学習意欲を高められる可能性を秘めているとともに、支援が必要な児童生徒にも学びやすいデジタル教材は、多くの学校で取り入れられています。</p>



<h3 class="wp-block-heading">デジタル教科書との違い</h3>



<p>令和６年度からすべての小中学校を対象にデジタル教科書を提供することとしており、本格的な教育のデジタル化が進められています。ここで、「デジタル教科書」と「デジタル教材」の違について疑問を持つ方もいるかと思います。この2つの違いは以下のとおりです。</p>



<h4 class="wp-block-heading">デジタル教科書</h4>



<p>学習者用デジタル教科書とは、紙の教科書の内容の全部（電磁的記録に記録することに伴って変更が必要となる内容を除く。）をそのまま記録した電磁的記録である教材です（学校教育法第34条第２項及び学校教育法施行規則第56条の５）。</p>



<p>このため，動画・音声（紙の教科書の内容の音声読み上げ機能は除く。）やアニメーション等のコンテンツは，学習者用デジタル教科書に該当せず，これまでの学習者用デジタル教材と同様に，学校教育法第34条第４項に規定する教材（補助教材）ですが，学習者用デジタル教科書とその他の学習者用デジタル教材を組み合わせて活用し，児童生徒の学習の充実を図ることも想定されます。</p>



<h4 class="wp-block-heading">デジタル教材</h4>



<p>タブレットやパソコンなどのデジタル機器で利用・作成する教材のことで、デジタル教科書と組み合わせて活用することで、児童生徒の学習の充実を図るものです。動画や音声を手軽に利用できるとともに、インターネットにもアクセスが可能となるため、従来の紙媒体では考えつかないような学習方法が生み出されることも想定されます。</p>



<p>【参考】</p>



<p><a href="https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/gaiyou/04060901/1349317.htm">3．学習者用デジタル教科書について：文部科学省 (mext.go.jp)</a></p>



<h3 class="wp-block-heading">デジタル教材の種類</h3>



<p>教科書の副教材に位置づけられるデジタル教材ですが、児童生徒の充実した学習には欠かせません。デジタル教材には様々な種類がありますが、その一部をご紹介します。</p>



<h4 class="wp-block-heading">Qubena（キュビナ）</h4>



<p>　学習状況をAIが分析して、一人ひとりに最適化された問題が出題されます。個別最適化された学習をサポートしてくれるので、苦手な問題でつまずきにくく、児童生徒の基礎学力定着を図ることができます。</p>



<p>また、教員は児童生徒の学習状況を把握することができ、個別指導にも役立てることができます。さらに、宿題やテストの採点業務の負担も軽減することができます。</p>



<p><a href="https://qubena.com/">TOP &#8211; Qubena（キュビナ）／株式会社COMPASS &#8211; 学習eポータル＋AI型教材</a></p>



<h4 class="wp-block-heading">すらら</h4>



<p>主には学習塾等で活用されている「すらら」ですが、最近は学校での導入も増えてきています。演習問題や動画での学習により、一人ひとりのペースに合わせた学習ができます。また、学習コーチのサポートがついており、先取学習やさかのぼり学習もスムーズに行えます。</p>



<p><a href="https://surala.jp/">オンライン・タブレット教材は家庭学習のすらら (surala.jp)</a></p>



<p>上記以外にも、様々なデジタル教材があるので、ぜひ参考にしてみてください。</p>



<h2 class="wp-block-heading">デジタル教材導入のメリット</h2>



<p>教材のデジタル化によるメリットについて解説します。</p>



<h3 class="wp-block-heading">学習への興味・関心が高まる</h3>



<p>デジタル教材では、動画や音声により視覚や聴覚を使った効果的な学習を進めることができます。</p>



<p>これにより、従来の紙媒体では、児童生徒の興味関心を引くためには教員の工夫や経験によるところが大きかったのですが、デジタル教材の導入によって興味関心を刺激することが容易になりました。</p>



<h3 class="wp-block-heading">一人ひとりに合わせた学習ができる</h3>



<p>学習内容の理解度や進捗状況をデジタル教材が記録、分析してくれるので、個別最適化された学習ができるようになりました。</p>



<p>また、個別の習熟度を考慮しにくい従来の一斉学習では難しかった指導が可能となるため、一人ひとりの能力を最大限に伸ばすことが可能となります。</p>



<h3 class="wp-block-heading">荷物の軽量化が図られる</h3>



<p>ペーパーレス化により、授業はタブレット１台で完結するため、荷物の軽量化が図られます。</p>



<p>特に小学校低学年の児童にとって、10㎏近いランドセルを背負っての通学は負担が大きいので、荷物の軽量化は教材のデジタル化の大きなメリットと言えます。</p>



<h3 class="wp-block-heading">教員の負担軽減</h3>



<p>児童生徒の学習状況を把握し問題や参考資料を作成してくれることや、テストや宿題の採点をデジタルで行ってくれるため、教材のデジタル化による教員の負担軽減が期待できます。</p>



<h2 class="wp-block-heading">デジタル教材を活用した実践事例</h2>



<p>デジタル教材は、児童生徒の学年や学習の場面によって活用方法も様々です。ここでは、デジタル教材の活用方法の一例をご紹介します。</p>



<h3 class="wp-block-heading">小学校 理科</h3>



<p>理科の実験では、実験の手順を動画で分かりやすく確認することで、安全に実験を進めることへの理解が深まります。</p>



<p>また、実験結果を整理し共有できるツールを活用することで、教室内にあるものだけではなく、屋外で実験したサンプルも取り入れて比較・検討することができます。比較・分類したシートはタブレット端末に保存されるため、児童がどのように考え、結論を導きだしたのかを見ることも可能です。</p>



<h3 class="wp-block-heading">中学校 数学</h3>



<p>一斉学習の中で、生徒一人ひとりが習熟度に応じて、デジタル教材で学習内容を振り返るとともに、個別最適化されたドリル学習等を活用することで、一斉学習に習熟度別学習の要素を取り入れることができます。</p>



<p>また、アニメーションを活用することで、抽象的な数学的概念を直感的に理解することが可能となります。</p>



<h3 class="wp-block-heading">高等学校 現代社会</h3>



<p>出題された設問に対して、デジタル教科書やインターネット等、生徒が使用できるメディアや情報源を制限せず考察させることで、生徒の自発的な探究活動を促すことができます。</p>



<p>また、プレゼンテーションの際に、パワーポイントやピクチャーカードなどのプレゼンテーションツールを活用することで、模造紙に書いて発表するよりも準備にかかる負担が軽減され、発表の練習に時間を割くことができるようになります。</p>



<h2 class="wp-block-heading">デジタル教材活用の留意点</h2>



<p>教育現場でのデジタル化が進む一方で、デジタル教材導入における留意点を抑えておく必要があります。そのひととつがセキュリティ対策です。</p>



<p>インターネットに接続する以上、個人情報の流出や機密情報の漏洩などには最新の注意を払う必要があります。ウイルス対策ソフトの導入はもちろん、メールの誤送信による情報漏洩等のリスクに備え、マニュアルの徹底や研修等により人的ミスへの対策も重要となります。</p>



<p>また、デジタル教材を活用するにあたって、視力の低下やインターネット依存などにも注意が必要です。学校内での端末の使用ルールや家庭での管理など、運用上の注意を、教員どうしはもちろん、保護者との共有も重要です。</p>



<h2 class="wp-block-heading">まとめ</h2>



<p>デジタル教材は、デジタル教科書と組み合わせて活用することで、より効果が発揮されます。</p>



<p>また、デジタル教材は汎用性の高い様々な機能を有しているため、教員や児童生徒の創造性次第で、その活用の幅は非常に大きくなります。ぜひ工夫しながら最大限に活用してみてください。</p>


デジタル教材で教育はどう変わる？導入のメリットや具体的な事例について解説


<p>「ICT機器を使う教育は楽しい」</p>



<p>2023年に東京大学が発表した「子どものICT利用に関する調査2023」の調査結果によると、小中学校の約8割がICT機器を使う教育は楽しいというアンケート結果でした。</p>



<p>またICT機器を使う授業を増やしてほしいと、小学生の7割が回答しています。</p>



<p>しかし、2021年に文部科学省が発表した「令和2年度学校における教育の情報化の実態調査等に関する調査結果（概要）」によると、約4割の教員がICTを授業に活用できていないと報告されています。</p>



<p>「どうすれば授業でICTを活用できるのだろう」</p>



<p>「ICT機器の使い方を覚えるにはどうすればいいの」</p>



<p>教員の方はこのような悩みを持っているのではないでしょうか？</p>



<p>ICT教育の事例を知ることで、授業にICTを活用した授業やICT機器の使い方が学べます。</p>



<p>事例を学び、ICTを活用した授業のヒントを得ましょう！</p>



<h2 class="wp-block-heading">ICT教育の目的</h2>



<p>ICTとは、「Information and Communications Technology」（情報通信技術）の略です。</p>



<p>ICT教育は、ICTを活用した教育活動ということですね。</p>



<p>従来の教育現場では、黒板、教科書、プリントなどのアナログな教材が中心でしたが、</p>



<p>ICT教育では、コンピュータ、タブレット端末、電子黒板、インターネットなどを活用し、より効率的かつ効果的な学習を目指しています。</p>



<p>ICTを教育に活用する目的として以下の3つがあります。</p>



<ol>
<li>ICT端末を活用した授業をおこない、児童・生徒の学習意欲を高める。</li>



<li>ICT導入により、資料作成や配布、成績処理などの多くの業務が電子化され、教員の負担を軽減する。</li>



<li>CTを導入し、授業データや教材を教員間で共有することで、優れた教材や指導方法がわかり教育の質が向上する。</li>
</ol>



<p>ICTを活用すると従来よりもより良い授業ができるだけでなく、教員の働き方改革にもつながりますね。</p>



<h2 class="wp-block-heading">文部科学省の取組み</h2>



<p>文部科学省は、ICT教育を普及させる施策をおこなっています。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ICT機器の整備</h3>



<p>2019年から文部科学省は、GIGAスクール構想の施策により児童・生徒1人1台のICT機器と高速ネットワーク環境を整備しています。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ICT教育の普及活動</h3>



<p>GIGAスクール構想で整備したGAGA端末の汎用的なソフトウェアとクラウド環境を使った教育事例を集める「リーディングDXスクール」を実行中です。</p>



<p>またGIGAスクール構想を浸透させるために、自治体・学校の実践事例などの情報発信するポータルサイト「StuDX Style（スタディーエックス スタイル）」も運営しています。</p>



<p>&nbsp;参考：<a href="https://leadingdxschool.mext.go.jp/">リーディングDXスクール</a></p>



<p><a href="https://www.mext.go.jp/studxstyle/">StuDX Style（スタディーエックス　スタイル）：文部科学省 (mext.go.jp)</a></p>



<h2 class="wp-block-heading">なぜICT教育が必要なのか？</h2>



<p>ICTを活用した教育はなぜ必要なのでしょうか？</p>



<p>文部科学省が発表した「教育の情報化ビジョン」では、以下の理由が書かれています。</p>



<ul>
<li>子どもたちの学力が国際社会で低下している</li>



<li>読解力はあるが、見つけた情報の関連性を理解して解釈したり、自分の知識や経験と結びつけるのは苦手である</li>
</ul>



<p>また社会のデジタル化が急速に進む現在、子どもたちが情報社会に適応し生きていくために必要な情報活用能力の育成が急務です。</p>



<p>従来の集合教育では、授業についていけない児童・生徒を救うことが難しいため、一人ひとりの学習進捗に合わせた教育をおこなう必要があります。</p>



<p>そのため、これからの社会で子どもたちが生きていくため、ICTを活用し学力を向上させる必要があります。また、早いうちからITリテラシーを学び、情報を選別・活用する能力を身につけさせなければなりません。</p>



<p>そのために、小学校からICT教育をおこなうことが必要です。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ICTを活用した小学校の授業事例</h2>



<p>文部科学省は、ICTを活用した授業事例を公開しています。</p>



<p>StuDX Styleでは、実践事例が掲載されています。</p>



<p>文房具や教具と同様、日常的に活用していくイメージを教員が持てる事例が多く掲載されており、ICT教育の進め方が得られるでしょう。</p>



<p>また、「教育ICT活用実践事例集」は、2011年に文部科学省が国内のICT教育活用事例の調査研究事業をまとめた小冊子です。1ページごとに事例がまとめられています。</p>



<h3 class="wp-block-heading">算数の授業事例</h3>



<p>タブレットを活用し違う展開図でも同じ立方体になる発見学習</p>



<p>タブレットを利用し図形の展開図を変化させながら、面・辺の対応を頭の中で行い空間認識の力を育成しています。</p>



<h3 class="wp-block-heading">国語の授業事例</h3>



<p>電子黒板を使い登場人物の行動を投映し、児童に登場人物の気持ちや想像力を高める学習</p>



<p>電子黒板にデジタル教科書の挿し絵や資料を提示して、サイドラインを引いたり挿し絵や写真を見ながら説明し児童の理解を深めています。</p>



<h3 class="wp-block-heading">理科の授業事例</h3>



<p>電子黒板とデジタルカメラを使って水の循環を学ぶ学習</p>



<p>各班に別れ、水道の蛇口から水道管をたどって水の元を探し、デジタルカメラで撮影させます。</p>



<p>教室でデジタルカメラの映像を電子黒板に映しながら児童が説明し、問題解決とプレゼンの力を育成しています。</p>



<h3 class="wp-block-heading">家庭学習の事例</h3>



<p>クラウド型ドリル学習教材を活用し、一人ひとりに合わせた学習</p>



<p>&nbsp;自宅でタブレット端末を使いクラウド型ドリルを使って算数の問題に取り組み、自動採点機能を使って、児童は正誤がすぐにわかります。</p>



<p>学習履歴はクラウド上に保存され、教師は児童一人ひとりの学習状況や理解度を把握できるので、授業で問題の解説や、個別にフォローアップしたりするなど、効果的・効率的な指導を行えます。</p>



<h3 class="wp-block-heading">動画でも授業事例を学べます。</h3>



<p>文部科学省の公式YouTube「文部科学省/mextchannel」には、GIGAスクール構想で配備された一人１台端末の効果的な活用や、プログラミング教育の実践事例など授業のヒントになる情報が掲載されています。</p>



<p>&nbsp;参考：文部科学省/mextchannel <a href="https://www.youtube.com/mextchannel">https://www.youtube.com/mextchannel</a></p>



<h2 class="wp-block-heading">ICT教育の今後の課題</h2>



<p>ICT教育を進めていくには、3つの課題があります。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ICT活用の質の向上</h3>



<p>ICT機器をただ導入するのではなく、従来の教育方法と効果的に組み合わせ、より質の高い教育を実現する必要があります。</p>



<p>ICTを活用する目的を明確にし、児童生徒にどのような力を身に付けさせるかを明確にした授業設計が重要です。</p>



<p>そのためには、具体的な実践事例を参考に各教科・各単元の目標や内容に最適なICT活用方法を考えないといけません。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ICT環境の整備</h3>



<p>ICT教育を進めるには、予算の確保や機器のメンテナンスなど環境の整備が必要です。</p>



<p>特に、地域や学校間の格差をなくし、すべての子どもたちが等しくICT教育の恩恵を受けられるようにするためには、継続的な財政支援やICT支援員の配置などの人的支援の充実が</p>



<p>求められています。</p>



<h3 class="wp-block-heading">情報モラル教育の充実</h3>



<p>子どもたちが、インターネット上の危険から身を守り、情報を正しく利用できるようになるため、情報リテラシーを育む必要があります。</p>



<p>具体的には、情報源の信頼性を見極める力、個人情報の扱い方、著作権や肖像権などの理解を深める情報モラル教育の充実が必要です。</p>



<p>課題の解決に向けて、文部科学省や経済産業省など各省庁と民間企業が協力して進めています。</p>



<h2 class="wp-block-heading">事例からICTを活用した授業をしましょう！</h2>



<p>ICTを活用した授業を児童・生徒たちは、求めています。</p>



<p>ICT教育をおこなうには、従来の授業設計に加え、ICTを活用した授業計画を考える必要があります。ただし、ICTはあくまで教育を支援するためのツールの一つです。</p>



<p>すでにさまざまな事例が公開されています。事例からICTを授業で活用するヒントが得られます。</p>



<p>​​ICTを活用した授業を児童・生徒たちは楽しみにしています。</p>



<p>実践事例を参考にICTを活用した授業をしましょう。</p>


ICTを活用した教育とは？活用事例を学ぼう！


<p>ICT教育とは、情報通信技術（ICT）を活用した教育です。</p>



<p>タブレットやデジタル教科書を利用した授業だけでなく、電子黒板や立体投影機などを利用した授業もICT教育になります。</p>



<p>「IT機器を使えるかな」</p>



<p>「ICT利用した授業はどうすればよいのかな」</p>



<p>「ICT教育で使える教材はどのようなものなの」</p>



<p>ICTを利用した授業に慣れていない教員の不安がいろいろありますね。</p>



<p>ICTを活用した教育をすると、生徒一人ひとり個別指導や生徒・児童の興味を引く授業ができます。</p>



<p>この記事では、ICT教育を初めて行う教員へICT教育の基礎と、メリット・デメリット、ICT教育ツールなどを解説します。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ICT教育とは？</h2>



<p>ICT教育とは、黒板、教科書、プリントなどのアナログ教育に情報通信技術（Information and Communication Technology: ICT）を取り入れることで、より効果的で効率的な学習を目指す教育方法です。</p>



<p>具体的には、GIGAスクール構想で導入された電子黒板、パソコン、タブレットなどを活用し、デジタル教科書やWeb会議ツールなどインターネットを利用し授業をおこなうことですね。</p>



<p>ITC教育は、SDGsの目標４「質の高い教育をみんなに」で提唱されている持続的な教育を実現できます。</p>



<p>たとえば、不登校や臨時休校などで教室に通えなくても、ITCを利用すれば継続して学べます。</p>



<p>またデジタル化社会が進展する中で、子どもたちが情報社会に適用し、情報活用能力を身につけるには、早い段階からICT教育をおこなう必要があります。</p>



<p>ICT教育は、これからの社会で活躍できる人材を育てるために、重要な役割を持っています。</p>



<p>子どもたちだけでなく教員も授業の準備短縮や学習の進捗が簡単に把握できるため、教員の働き方改革が期待されています。</p>



<h2 class="wp-block-heading">GAGAスクール構想とICT教育</h2>



<p>GIGAスクール構想は、2019年に文部科学省が提唱しました。日本の学校にICT環境を整備する取り組みです。</p>



<p>GIGAスクール構想とは、全国の児童・生徒に一人一台の端末と高速ネットワーク環境を整備し、21世紀型の教育を目指しています。</p>



<p>当初は2023年度中の整備完了を目標としていましたが、臨時休校を受けて前倒しが進められ2022年度にはほぼ整備が完了しました。2024年度にはICT機器の更新が始まっています。</p>



<p>ICT教育をするためのハードウェアと通信環境を整備するものですね。</p>



<p>&nbsp;文部科学省の「GIGAスクール構想の実現について」サイトには、ネットワークや端末のチェックリストなどが掲載されています。</p>



<p>参考：<a href="https://www.mext.go.jp/a_menu/other/index_00001.htm" target="_blank" rel="noreferrer noopener">GIGAスクール構想の実現について：文部科学省 (mext.go.jp)</a></p>



<p>チェックリストには、健康面やICT端末を自宅に持ち帰る場合など注意する点がまとめてありICTを円滑に活用するためのチェックリスト作成の参考になります。</p>



<p>参考：<a href="https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_01798.html" target="_blank" rel="noreferrer noopener">1人1台端末等のICT環境の活用に関する方針・チェックリストについて：文部科学省 (mext.go.jp)</a></p>



<p>また「StuDX　Style（スタディエックススタイル）」では、GIGAスクールの事例が掲載されています。</p>



<p>ICTを利用した授業のヒントが得られるでしょう。</p>



<p>参考：<a href="https://www.mext.go.jp/studxstyle/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">StuDX Style（スタディーエックス　スタイル）：文部科学省 (mext.go.jp)</a></p>



<h2 class="wp-block-heading">ICT教育のメリットとデメリット</h2>



<p>ICT教育は、児童・生徒だけでなく教員にもメリットがあります。</p>



<p>ICT教育は多くのメリットがある一方、いくつかのデメリットも指摘されています。</p>



<p>メリット・デメリットを理解してICT教育をおこないましょう。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ICT教育メリット</h3>



<h4 class="wp-block-heading">児童・生徒の興味を引く授業ができる</h4>



<p>電子黒板やタブレットで、動画やゲーム感覚で学習できるツールなどを使う授業をすると児童・生徒の興味や関心を引きます。</p>



<p>興味や関心を引くと、子どもたち自ら学ぶ意欲が出てきますね。</p>



<h4 class="wp-block-heading">情報活用能力の育成ができる</h4>



<p>インターネットを使って、自ら必要な情報を集め、集めた情報を分析・評価しまとめることで、情報活用能力が育ちます。</p>



<p>社会に出た時に役立つ、情報を取捨選択する力も身につきますね。</p>



<h4 class="wp-block-heading">教員の負担が少なくなる</h4>



<p>デジタル教材やオンライン資料を活用することで、教材作成や印刷などの授業準備時間を削減できます。</p>



<p>また成績処理や保護者との連絡などをオンラインですることで、事務作業の効率化が図れ教員の負担が少なくなります。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ICT教育のデメリット</h3>



<h4 class="wp-block-heading">ICT機器の導入や維持に費用がかかる</h4>



<p>タブレットやネットワーク環境の整備など、導入・運用にはコストがかかります。多数のICT機器の管理や故障対応、セキュリティ対策など、学校側の負担増加も課題です。</p>



<h4 class="wp-block-heading">ICT機器が不慣れな教員への教育やサポート</h4>



<p>ICTを活用した効果的な授業を行うためには、教員のICTスキル向上や、新しい教育方法の習得が必要です。文部科学省や経済産業省がさまざまなサポートをしています。</p>



<h4 class="wp-block-heading">児童・生徒の健康面の配慮が必要</h4>



<p>児童・生徒が、自宅へICT機器を持ち帰ると夢中になって長時間使うことで、視力低下や睡眠障害などの健康への悪影響も懸念されています。</p>



<p>ブルーライト対策や適切な利用時間の設定など、健康面への配慮も必要です。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ICT教育の実践事例</h2>



<p>どのようにICTを活用して授業すればよいのか悩んだときは、実践事例を参考にしましょう。</p>



<h3 class="wp-block-heading">実践事例を動画で学ぶ</h3>



<p>文部科学省の公式YouTube「文部科学省/mextchannel」には、GIGAスクール構想で配備された一人１台端末の効果的な活用やプログラミング教育の実践事例など授業のヒントになる情報が掲載されています。</p>



<p>&nbsp;参考：<a href="https://www.youtube.com/mextchannel" data-type="URL" data-id="https://www.youtube.com/mextchannel" target="_blank" rel="noreferrer noopener">文部科学省/mextchannel</a></p>



<h3 class="wp-block-heading">事例で学ぶ</h3>



<p>StuDX Styleでは、実践を進めている自治体・学校の実践事例などが掲載されてます。</p>



<p>文房具や教具と同様、日常的に活用していくイメージを教員が持てる事例が多く掲載されており、ICT教育の進め方が得られるでしょう。</p>



<p>参考：<a href="https://www.mext.go.jp/studxstyle/index2.html" data-type="URL" data-id="https://www.mext.go.jp/studxstyle/index2.html" target="_blank" rel="noreferrer noopener">StuDX Style</a></p>



<p>　　</p>



<h3 class="wp-block-heading">ITCの活用を学ぶ</h3>



<p>独立行政法人教職員支援機構の校内研修シリーズでは、ICTを活用した授業づくりが学べます。</p>



<p>特に校内研修シリーズNo76の「学校におけるICTを活用した学習画面」では、ICTを効果的に活用する10の具体例が紹介されておりICT教育の概要をつかめるでしょう。&nbsp;</p>



<p>参考：<a rel="noreferrer noopener" href="https://www.nits.go.jp/materials/intramural/" data-type="URL" data-id="https://www.nits.go.jp/materials/intramural/" target="_blank">独立行政法人教職員支援機構 校内研修シリーズ</a></p>



<h3 class="wp-block-heading">英語を学ぶ</h3>



<p>一般財団法人英語教育協議会の英語教員向けのポータルサイト「えいごネット」では、中学校英語教科書で使われる語彙で編集された記事や、教材・指導案などが掲載されています。</p>



<p>記事は、英語の授業でも使えますよ。</p>



<p>参考：<a rel="noreferrer noopener" href="https://www.eigo-net.jp/" data-type="URL" data-id="https://www.eigo-net.jp/" target="_blank">えいごネット</a></p>



<p>その他各地方自治体の教育委員会も活用事例を載せたポータルサイトでICT実践事例を学べます。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ICT教育における教師の役割とは</h2>



<p>ICT教育において教師は、従来の指導技術に加えICTの特性を理解し、指導の効果を高めることが求められています。</p>



<p>具体的な役割は次の3つです。</p>



<ol>
<li>児童・生徒の学習意欲を高め、自ら考え児童生徒同志で意見交換しながら深い学びを実現する</li>
</ol>



<ol start="2">
<li>学習支援システムを使い児童・生徒一人ひとりの学習進捗状況や理解度を把握し、個別最適な学びを提供する</li>
</ol>



<ol start="3">
<li>ICT機器を適切に管理・運用し、ICT機器の操作方法や情報モラル、セキュリティ対策などについて、児童生徒に指導する</li>
</ol>



<p>教員のサポートため、ICT（情報通信技術）支援員の配置や教員への研修などさまざまな取組みが官民協力しておこなわれています。</p>



<h2 class="wp-block-heading">おすすめのICTツールの紹介</h2>



<p>ICT教育に使われるツールはさまざまな種類があります。その中でもおすすめのICTツールを紹介します。</p>



<h3 class="wp-block-heading">デジタル教科書やオンラインで使える無料ツール</h3>



<p>デジタル教科書とは、紙の教科書をデジタル化し、タブレット端末などの電子機器で利用できるようにしたものです。</p>



<p>公益財団法人教科書研究センターにデジタル教科書のリンク集があり、発行者や発行している教科がわかります。</p>



<p>参考：<a href="https://textbook-rc.or.jp/digital/" data-type="URL" data-id="https://textbook-rc.or.jp/digital/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">公益財団法人教科書研究センター　学習者用デジタル教科書紹介リンク集</a></p>



<p>文部科学省の「たのしくまなび隊」は、小学生が自ら探して学べる無料の動画やプリントなどが豊富に用意されています。</p>



<p>参考：<a href="https://tanoshikumanabitai.mext.go.jp/" data-type="URL" data-id="https://tanoshikumanabitai.mext.go.jp/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">たのしくまなび隊 </a></p>



<h3 class="wp-block-heading">他校との共同授業に役立つツール</h3>



<p>Zoomはビデオ会議ツールで、オンライン授業やミーティングに広く利用されています。</p>



<p>高品質なビデオと音声、ブレイクアウトルーム、画面共有機能など、教育現場で必要な機能が豊富に揃っています。簡単に使えるため、初心者でもすぐに使えるのが特徴です。</p>



<p>会議システムを利用すると他校との交流や、共同授業ができます。また海外の学校との交流も行えます。</p>



<h3 class="wp-block-heading">学習活動支援ツール</h3>



<p>Google Classroomは、授業の管理や課題の配布・提出、フィードバックの提供などを一元管理できる学習管理システム（LMS）です。</p>



<p>Google DriveやGoogle Docsなどの他のGoogleサービスとシームレスに連携できるため、教材の作成や共有が非常に簡単なのが特徴です。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ICTを使って楽しい授業をしよう！</h2>



<p>ICTは鉛筆やノートと同じ道具です。児童・生徒がICTを「文房具」として使い、教員は「教具」として普段使いをしていく必要があります。</p>



<p>授業でICTを使うと児童・生徒の興味を引き、勉強が楽しくなるでしょう。</p>



<p>教員の方は、ICTの活用方法を学ぶ必要がありますが、官民共同でサポートを行っています。</p>



<p>また、ICT支援員の配置も進んでいます。</p>



<p>教員の方はICT機器に詳しくなる必要はありません。児童・生徒にどう使わせて学習に活用できるかを考えれば大丈夫です。</p>



<p>上手にICTを活用して楽しい授業をしましょう！</p>


ICT教育とは?メリットとデメリットを徹底解説


<p>情報化社会を生きる子どもたちにとって、スマホやタブレットを使って情報を得たり、SNSなどを通じて他者とコミュニケーションをとったりすることが当たり前となっています。</p>



<p>学校現場においても、ICTを基盤とした先端技術の効果的な活用が求められており、児童生徒１人１台の端末配布やWi-Fi整備、オンライン授業の実施など、教育のデジタル化が進められています。</p>



<p>一方で、「教育のデジタル化についてはまだ変化を実感できない」「具体的なノウハウが不足している」などの課題も挙げられます。</p>



<p>急速に進展する情報化を踏まえ、教育現場におけるデジタル技術の活用が、子どもや教員にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。</p>



<p>この記事では、教育DXがもたらす効果や具体的な事例について解説します。</p>



<h2 class="wp-block-heading">教育DXが必要な理由</h2>



<p>現在の子どもたちにとって、インターネットを使用して情報を取得することやコミュニケーションをとることは、もはや当たり前となっています。</p>



<p>そんなデジタルネイティブ世代への教育内容や方法に変革が必要なのは、当然の流れともいえます。</p>



<p>また、急速な時代の変化に伴う教員の負担は年々増大しており、これまでの働き方を続けるには限界があるため、教育現場へのデジタル技術導入による業務の効率化を積極的に取り入れることが必要となっています。</p>



<p>これらの課題を解決するため、教育のあり方を根本から変革する教育DXの取組が進められています。</p>



<h3 class="wp-block-heading">教育DXとは</h3>



<p>教育DXとは、教育現場において、デジタル技術やデータを活用することにより、学校教育を変革することです。</p>



<p>この新たな革新は、多様な子どもたちの個別最適化された学びや創造性を育むものであり、子どもたちの可能性を大きく広げるものとして推進されています。</p>



<h3 class="wp-block-heading">これからの子どもたちに必要な学びとは</h3>



<p>科学技術の発展や社会のグローバル化など、私たちの生きる時代はものすごいスピードで変化しており、とりわけ子どもたちは変化の激しいこれからの社会に適応しながら生き抜いていかなければなりません。</p>



<p>この激動の時代を生き抜く子どもたちには、変化を前向きに受け止め、自ら価値を創造する豊かな創造性を備え、予測不可能な未来社会を自立的に生きる力が求められます。</p>



<h3 class="wp-block-heading">文部科学省による教育DXの推進</h3>



<p>文部科学省は2020年度より、子どもたちの「生きる力」を育むための内容を盛り込んだ新しい「学習指導要領」をスタートさせており、教育DXについても、この「生きる力」を育む重要な施策のひとつとして取り組んでいます。</p>



<p>　現在、教育DXの一環であるGIGAスクール構想の実現に向けた取組が、文部科学省をはじめ各自治体で推進されており、１人１台端末の整備と併せて、統合型校務支援システムなどのICT技術の導入・運用が段階的に進められています。</p>



<h2 class="wp-block-heading">教育DX導入のメリット</h2>



<p>教育現場におけるICT環境の充実やデータ活用により、児童生徒一人ひとりに合った教育が可能となり、より充実した学びにつなげることが期待されます。</p>



<p>　また、データに裏打ちされた指導ノウハウの継承や業務効率化により、教員の資質向上や負担軽減にも役立てることができるようになります。</p>



<h3 class="wp-block-heading">教育DXによる学び・指導の充実と深化</h3>



<p>現在、一人一台端末など、学校におけるICT環境の整備が進められていますが、これにより、いつでもどこでも授業を受けることができるようになるとともに、児童生徒一人ひとりの進捗に合わせた個別最適化された学習が可能となります。</p>



<p>また、情報の共有化が容易となり、よりきめ細やかな指導ができるようになるとともに、指導記録や指導に係るノウハウ等を蓄積・分析したデータを活用することで、指導内容の深化が図られます。</p>



<h3 class="wp-block-heading">ICT活用による「子ども主体の学び」の充実</h3>



<p>ICT活用により、調べ学習の効率化や子どもの重要なポイントをハイライト表示したり、注釈を加えたりすることが容易です。</p>



<p>また、動画、3D画像、VRなどを組み込むことで、学習内容をより鮮明に視覚化し、児童や生徒の理解を深めることが可能になります。</p>



<h3 class="wp-block-heading">AI・ビッグデータの活用による学習の個別最適化</h3>



<p>学習記録や試験結果等のデータを分析することで、問題を解くのにどれくらい時間を要したか、どこでつまずいているかなどが分かるようになり、得意分野や苦手分野、習熟度が不足している箇所を明確化します。それにより個別の特性や習熟度に合わせた学習が可能となります。</p>



<p>　</p>



<h3 class="wp-block-heading">教員の事務負担軽減</h3>



<p>教員は、テストの採点や宿題の確認など、授業以外にも多くの事務に時間を費やしています。</p>



<p>教育DXでは、自動化できる作業をAIや機械に任せることで、事務作業にかかる時間を削減し、子どもと接する時間を増やすことが可能となります。</p>



<h2 class="wp-block-heading">教育DXの課題</h2>



<p>教育DXによるメリットは魅力的ですが、DX推進を図る上での課題も存在します。その中でも、特に懸念されている課題として、次のことが挙げられます。これらの課題に対応するためには、学校現場の意見も参考にしながら方針を検討することが重要です。</p>



<h3 class="wp-block-heading">デジタル機器の整備と維持コスト</h3>



<p>一人一台端末の導入など、教育現場におけるICT環境の整備が順調に進む一方で、これらのインフラ整備には大きなコストがかかります。</p>



<p>さらには、機器の保守やメンテナンス、更新など維持管理コストに加え、ネットワークや不調や機器の故障等による突発的なコストも考慮した予算の確保が必要となります。</p>



<h3 class="wp-block-heading">セキュリティ対策</h3>



<p>クラウド上での学習やデータ管理により、充実した教育が実現する一方で、サイバー攻撃等による情報漏洩などのリスクも存在します。</p>



<p>また、端末を自宅に持ち帰る場合には、教員の目が届きにくくなります。インターネットが生活の一部となっている現在において、自分自身の身を守るためにも、情報セキュリティ教育の充実は非常に重要な課題となっています。</p>



<h3 class="wp-block-heading">指導者の資質向上</h3>



<p>現在、教育DXはモデル校による実証段階であり、ICTを活用した指導のノウハウや事例が十分ではないため、これからデジタルに関わる指導者の資質をいかに向上するかが課題となっています。</p>



<p>教育DXが浸透し、ベテラン教員やICTに強い教員の経験や知識を可視化することができれば、若手職員をはじめとする教員の育成が期待できます。</p>



<h2 class="wp-block-heading">ICTを活用した指導のポイントと具体事例</h2>



<p>実際の教育現場でDXを導入している事例にはどのようなものがあるのでしょうか。小中高に分けて一例を紹介します。</p>



<h3 class="wp-block-heading">小学校における指導のポイントと活用事例</h3>



<h4 class="wp-block-heading">国語</h4>



<p>３つの絵を見て、ストーリーの続きを想像し、「時」「場所」「人物」などの物語の設定を考えてスライドに描きます。その後、発表会を行い、自分の描いたスライドをタブレット端末で共有しながら、物語を読み合います。児童は、それぞれの画面上で拡大したり、質問したりしながら、物語の良いところや気づいたことを共有し、コミュニケーションを図ることができます。</p>



<h3 class="wp-block-heading">中学校における指導のポイントと活用事例</h3>



<h4 class="wp-block-heading">英語</h4>



<p>学級で人気のあることについて、MicrosoftFormsでの調査結果を、グラフを表示しながらポスターセッション形式で発表します。アンケートを瞬時に集計し、その結果をグラフで示すことで、聞く側の生徒にとっても分かりやすく、発表後の活発な質疑応答につながります。振り返りの場面では、MicrosoftFormsを使用して授業の感想を入力することで、すぐに学級全体で本時の学びを共有することができます。</p>



<h3 class="wp-block-heading">高等学校における指導のポイントと活用事例</h3>



<h4 class="wp-block-heading">家庭科</h4>



<p>インターネットに接続した教員用タブレット端末を電子黒板に掲示し、ファストフードの栄養バランスチェックができるサイトを利用して、クラスの意見を反映した結果を見せます。次に、生徒が事前に1週間分の昼食を撮影してMetaMoJi ClassRoomに記録したものを各自で振り返り、献立を作成したものを、学級で共有します。</p>



<h2 class="wp-block-heading">まとめ</h2>



<p>変化の激しい現代において、学校教育の革新は重要な課題であり、デジタルネイティブ世代の子どもたちにマッチした学びの充実や、教員の事務負担の軽減など、教育DXの推進に向けた取組は今後も続きます。</p>



<p>誰一人取り残さない社会の実現に向けて、創意工夫のある学校教育を進めていきましょう。</p>


教育DXがもたらす効果とは？導入のメリットや具体的な事例について解説


<p>スマホやロボット掃除機など、インターネットやAIを利用した製品は生活に欠かせなくなっています。</p>



<p>教育現場でも同様に、電子黒板やタブレットを使った授業をしています。</p>



<p>教育にテクノロジーを利用することが、EdTech（エドテック）です。</p>



<p>児童や保護者に</p>



<p>「EdTechて何ですか」</p>



<p>「EdTechで何が変わるんですか」</p>



<p>と聞かれた時に、あなたは説明できるでしょうか？</p>



<p>この記事では、教育関係者が知っておくべきEdTechをわかりやすく解説します。</p>



<p>またITCに詳しくなかった教師が、EdTecを使いプログラミング授業をする事例を紹介します。</p>



<h2 class="wp-block-heading">EdTechとは</h2>



<p>EdTechとは、教育（Education）とテクノロジー（Technology）を組み合わせた造語です。</p>



<p>テクノロジーを活用して教育を効率化し、学習体験を向上させることを目的としています。</p>



<p>EdTechは、インターネットが普及した1990年代にアメリカで始まりました。現在では、イギリス、フランス、中国などさまざまな国でおこなわれています。</p>



<p>タブレットやパソコンでの授業やクイズゲームで勉強するのもEdTechの一つですね。</p>



<p>日本では、2019年文部科学省が「GIGAスクール構想」を発表しました。</p>



<p>GIGAとは、「Global and Innovation Gateway for All」の略で、日本のすべての子どもたちが平等にデジタル教育を受けられるようにする計画です。</p>



<p>Society5.0とは、2016年に政府が策定した「第5期科学技術基本計画」で提唱された日本独自の考え方です。</p>



<p>「サイバー空間（仮想空間）とフィジカル空間（現実空間）を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会（Society）」を提唱しています。</p>



<p>国内や地球規模の課題を解決するイノベーションを実現することですね。</p>



<p>そのためには、考える力を養う人材を育てる必要があります。</p>



<p>参照：<a href="https://www8.cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/index5.html" data-type="URL" data-id="https://www8.cao.go.jp/cstp/kihonkeikaku/index5.html" target="_blank" rel="noreferrer noopener">第5期科学技術基本計画</a></p>



<p>タブレットやパソコン、インターネット回線などハードウェア整備がおこなわれています。</p>



<p>GIGAスクール構想のもと経済産業省が「未来の教室」実証事業を進めています。</p>



<p>「未来の教室」はIT企業の協力を得て、デジタル教科書やプログラミングなどのツールの整備と教員を育成する事業です。</p>



<p>GIGAスクール構想がEdtechのインフラ整備、未来の教室プロジェクトがソフトウェアの整備ですね。</p>



<h2 class="wp-block-heading">「未来の教室」とは</h2>



<p>経済産業省が推進する「未来の教室」プロジェクトは、2018年から始まりました。</p>



<p>2017年から2019年に改訂された学習指導要領を実現するための実証実験です。</p>



<p>GIGAスクール構想で配備された、ひとり１台のタブレットやパソコン、電子黒板を活用しSociety5.0に向けて人材育成を目指しています。</p>



<p>「未来の教室」の取り組みは、経済産業省のWebサイト「learning innovation」にSTEAMやEdTechに関する詳しい情報を掲載し公開しています。</p>



<h3 class="wp-block-heading">STEAMライブラリー</h3>



<p>一人ひとりのワクワクを探究するためのオンライン図書館です。</p>



<p>教材に使える動画や、教員・保護者向けの解説動画も用意されています。</p>



<h3 class="wp-block-heading">Edtech ライブラリー</h3>



<p>未来の教室の実証事業でつかわれたEdtechの紹介です。</p>



<p>導入効果もわかるので、Edtechサービスの導入検討に役立ちます。</p>



<h3 class="wp-block-heading">学校BPR</h3>



<p>教師の働き方改革を実現する方法を紹介しているWebサイトです。</p>



<p>EdTechを活用した業務改善提案が掲載されています。</p>



<p>BPRとはBusiness Process Re-engineeringの略で、民間の働き方改革で使われている手法です。</p>



<h3 class="wp-block-heading">未来の教育通信</h3>



<p>未来の教室実証実験などを紹介するニュースレターです。</p>



<p>Edtechを使った新しい学び方や情報が入手できます。</p>



<p>未来の教室〜learning innovation〜のサイトで、EdTechの今がわかりますね。</p>



<p>&nbsp;未来の教室〜learning innovation〜のリンクは<a href="https://www.learning-innovation.go.jp/" data-type="URL" data-id="https://www.learning-innovation.go.jp/" target="_blank" rel="noreferrer noopener">こちら</a>です。</p>



<h2 class="wp-block-heading">EdTechのメリットとデメリット</h2>



<p>どんなに便利なものでも、良い面と悪い面がありますね。</p>



<p>EdTechも同様にメリット・デメリットがあります。デメリットを理解してできるだけ解消する必要があります。</p>



<h3 class="wp-block-heading">EdTech3つのメリット</h3>



<h4 class="wp-block-heading">生徒の学習意欲の向上　</h4>



<p>EdTechを使えば、自分のペースで学習が進められます。例えば、わからないところを何度も繰り返して学んだり、自分の得意な分野をさらに深く学ぶことも可能です。</p>



<p>また動画やゲームやクイズなど、さまざまな教材を利用することで、飽きずに楽しく学習できますね。</p>



<h4 class="wp-block-heading">都市部と地方の教育格差解消　</h4>



<p>残念ながら都市部と地方では教育環境が違います。地方では児童・生徒が学びたくても学べない場合もあります。</p>



<p>EdTechにより、オンライン授業やコンテンツを利用して学習を進められます。</p>



<p>都市部と同じ教育を受けられるため、教育格差の解消になりますね。</p>



<h4 class="wp-block-heading">教員の負担軽減</h4>



<p>EdTechで使えるSNSで、保護者と連絡ができます。朝の忙しい時にお休みの連絡を電話で受ける必要がなくなります。</p>



<p>児童・生徒一人ひとりの学習進度や理解度を簡単に把握できるツールを使えば、個別指導がしやすくなります。また、授業の準備や評価が効率的におこなえ、時間の節約が可能です。</p>



<h3 class="wp-block-heading">Edtech3つのデメリット</h3>



<h4 class="wp-block-heading">人との直接的な交流が少なくなる</h4>



<p>EdTechで学習すると、人と話さなくても勉強ができます。また端末を通して人と会話することが多くなります。</p>



<p>直接会って会話すると分かり合えることも多いため、共同で作業する機会を考える必要があります。</p>



<h4 class="wp-block-heading">デジタル機器やネット環境が必要</h4>



<p>EdTechをするには、タブレット端末やパソコンなどのデジタル機器や、快適にインターネットに接続できる環境が必要です。</p>



<p>またデジタル機器の故障に備え予備機の用意が必要になります。</p>



<h4 class="wp-block-heading">教員にもITCの知識が必要</h4>



<p>EdTechを進めていくには、教える立場の教員もITCの知識がなければ授業ができませんね。</p>



<p>教員自ら、学習して知識を付けていく必要があります。</p>



<h2 class="wp-block-heading">生成AIが導入される未来の教室</h2>



<p>2023年7月4日に文部科学省は、初等中等教育段階における生成AIの利用の暫定ガイドラインを通知しました。</p>



<p>生成AIの暫定ガイドラインが出たことにより、学校での生成AIを活用した実証実験が始まりました。</p>



<p>生成AIが導入された未来の教室はどうなるでしょうか？</p>



<p>外国語学習で、英会話の先生としてAI教材が導入され、児童・生徒が質問を工夫しながら学べるようになります。</p>



<p>また児童の学習進捗に合わせた、一人ひとりのオーダメイド教育ができるようになるでしょう。</p>



<p>生成AIを使うために、生成AIが間違った情報を生成することに気づかせる教育や、生成AIを活用した問題発見や解決能力の育成が必要になります。</p>



<p>教師もAIからの情報を集めたビッグデータの活用により多角的、継続的に児童の成長を把握できるようになり、教師の負担軽減も期待できます。</p>



<p>生成AIは文房具と同じツールです。</p>



<p>上手に利用して楽しい学びができるようにするかが、今後の課題ですね。</p>



<h2 class="wp-block-heading">EdTechを利用して楽しい学びのある授業を目指しましょう</h2>



<p>EdTechを活用することで、児童・生徒がワクワクする学びが実現できます。それにはEdTechを使う環境の整備や、授業の変革の必要があります。</p>



<p>今後AIが教育に導入されることで、現在の一斉授業が変わっていくでしょう。</p>



<p>AIもタブレット端末やデジタル教科書と同じ一つの道具です。道具を自主的に使えるように導くことが教員に求められています。</p>



<p>EdTechを活用できれば、授業の準備や事務処理の時間を短くできるようになります。</p>



<p>そのためには、教員も自主的に学んでいく必要があります。</p>



<p>EdTechを利用して楽しい学校生活を目指しましょう！</p>
