Microsoft Formsは、ブラウザ上でアンケート、申込フォーム、投票、クイズを作成し、回答の収集・集計まで行えるMicrosoft 365のサービスです。社内アンケート、研修後の理解度確認、セミナー申込、顧客フィードバックなどを、専用の開発スキルなしで素早く展開できます。
2026年7月14日、InfoPath 2013とSharePoint OnlineのInfoPath Forms Servicesは延長サポートを終了し、SharePoint Online上のInfoPathフォームは利用できなくなりました。未移行のフォームがある組織は、まずMicrosoft 365 Assessment Toolで利用箇所を洗い出し、単純なアンケート・受付フォームはMicrosoft Formsへ、承認や複雑な条件分岐を伴う業務フォームはPower AppsとPower Automateへ再設計する必要があります。
本記事では、Microsoft Formsの基本操作、Excel・Teamsとの連携、セキュリティ、Copilotによる支援機能、利用時の制約と使い分けを2026年7月時点の情報に基づいて解説します。
Webフォームとは、Webページ上で氏名、連絡先、希望日、意見などを入力・送信できる画面です。お問い合わせ、資料請求、イベント申込、アンケート、社内申請、研修テストなど、情報収集が必要な多くの場面で使われます。
一般的なフォームは、説明文、テキスト入力欄、選択肢、日付、評価、送信ボタンなどで構成されます。必須回答、入力形式、回答に応じた分岐を適切に設定すると、回答者の負担と入力ミスを減らし、後続の集計・処理を効率化できます。
Microsoft Formsは、フォームやクイズを作成し、URL、QRコード、メール、Teamsなどで共有して回答を集めるサービスです。回答結果はForms上でグラフとして確認でき、Excelへ出力して詳細分析も行えます。
フォームはゼロから作成できるほか、アンケート、イベント登録、フィードバック、クイズなどのテンプレートを基に作成することもできます。Microsoft 365の組織アカウントでは、Teams、Outlook、SharePoint、Power Automateなどと組み合わせた運用が可能です。
フォーム作成では、質問を追加し、回答形式、必須回答、選択肢、説明文を設定します。代表的な質問形式は、選択肢、テキスト、評価、日付、ランキング、リッカート、Net Promoter Score(NPS)です。回答内容に合わせて次の質問を変える分岐も設定できます。
フォームの作成数には上限があり、通常のFormsでは削除済みフォームを含めて1ユーザーあたり最大400件です。多数のフォームを運用する場合は、不要になったフォームの整理、所有者と保管ルールの明確化を行いましょう。
Copilotライセンスの対象ユーザーは、Forms内のCopilot ChatとSurveys Agentを利用できます。以前一部で案内された「Forms Agent」ではなく、現在の名称はSurveys Agentです。
フォーム作成画面のCopilot機能では、設問案の作成、質問文の改善、フォーム構成の見直し、回答依頼メールの下書き、集計結果の要約や傾向分析をチャット形式で依頼できます。日本語で指示できるため、アンケート設計や報告作成の効率化に役立ちます。
ただし、利用可否はCopilotライセンス、テナント設定、ロールアウト状況に左右されます。生成された設問や分析結果はそのまま使わず、目的に合っているか、偏った表現や誤解を招く表現がないかを担当者が確認してください。
回答はFormsの「応答」画面で確認できます。選択肢や評価の結果はグラフで表示されるため、少人数から中規模の調査なら画面上で概況を把握できます。Excelで開くと、回答を表形式で確認し、フィルター、ピボットテーブル、グラフ、Power Queryなどを用いた分析が可能です。
組織で運用するFormsでは、回答データをExcel Onlineに反映しながら管理できます。大量の回答を扱う場合は、Formsの画面だけに依存せず、ExcelやSharePointリスト、Power BIなどへデータを集約する設計が実務的です。
組織向けMicrosoft 365アカウントでは、1フォームあたり最大500万件の回答を収集できます。一方、回答が約50,000件を超えると、Forms上のグラフや「1人1回答」の制御などが安定して利用できない場合があります。大規模調査では、定期的なExcel出力、期間・地域ごとのフォーム分割、Power Automateによるデータ転記を検討しましょう。
Microsoft Formsは、Teams、Outlook、PowerPoint、Excel、SharePoint、Power Automateと連携できます。TeamsのPollsを使えば、会議中やチャット内で投票を実施できます。PowerPointではプレゼンテーション中に投票やクイズを提示し、参加者の回答をリアルタイムで確認できます。
Power Automateと組み合わせると、フォーム送信を起点に、担当者への通知、回答のSharePointリストへの登録、確認メールの送信、承認フローの開始などを自動化できます。ただし、複雑な外部公開フォームや厳格な業務ルールを実装するアプリケーションには、Forms単体では限界があります。その場合はPower Apps、Dynamics 365 Customer Voice、または要件に合う専門サービスを検討してください。
Microsoft FormsとSharePointを連携し、フォームの入力内容をWordテンプレートに差し込んで構造化文書を作成する機能が、2026年7月の一般提供に向けて進んでいます。契約書のドラフト、申請書、報告書などの定型文書を、フォーム入力から生成・保存・共有する用途が想定されます。
利用条件や提供状況はテナントによって異なり、Microsoft 365 Copilotライセンスが必要とされるケースがあります。利用可能な場合でも、正式な契約書や対外文書に使う前に、テンプレート、権限、保存先、承認手順を含めた試験運用を行いましょう。
Microsoft Formsには、悪意あるフォームでパスワードやクレジットカード情報を収集しようとする行為を検知・抑止するフィッシング対策があります。加えて、2026年6月以降、Microsoft Purviewの感度ラベルをFormsに適用できるようになりました。
感度ラベルを使うと、フォームに「公開」「社外秘」「機密」などの分類を付与し、フォームの作成・共同編集・回答データの閲覧に関する保護方針を適用できます。FormsからエクスポートしたExcelファイルにもラベルが継承されるため、フォームから集計ファイルまで一貫した情報保護に役立ちます。個人情報、採用情報、取引先情報を扱うフォームでは、感度ラベル、保存先の権限、共有範囲を必ず確認しましょう。
外部公開では、「リンクを知っている全員」が回答できる設定にすると、匿名回答やスパム回答のリスクが高まります。組織内調査は組織アカウントに限定し、外部の特定ユーザーに回答してもらう必要がある場合は、認証や回答後の確認フローを含めて設計してください。
Microsoft Formsを利用するには、Microsoftアカウントまたは組織のMicrosoft 365アカウントでサインインします。ブラウザでFormsを開くか、Microsoft 365のアプリ一覧からFormsを選択してください。組織アカウントでは、管理者のライセンスやポリシーにより、利用可能な機能が異なる場合があります。

Formsのトップ画面で「新しいフォーム」を選択します。用途に合うテンプレートがあれば、テンプレートを選んで質問を編集する方法も効率的です。
選択肢の質問では、単一回答・複数回答、選択肢の並び替え、その他の自由記述欄、ドロップダウン表示などを設定できます。テキストの質問では短文・長文を選べます。評価は満足度や理解度、ランキングは優先順位、リッカートは複数項目を同じ尺度で評価したいときに適しています。
分岐を使うと、たとえば「参加する」と答えた人だけに希望日を尋ね、「参加しない」と答えた人には理由を尋ねる設計ができます。全員に不要な設問を見せないことは、回答率とデータ品質の向上につながります。
組織内向けのフォームではファイルアップロードを利用できます。アップロードされたファイルはOneDriveまたはSharePointに保存されますが、匿名の外部回答者からのファイル収集には利用できません。

共有時には、回答対象者を設定します。主な配布方法は、URLのコピー、メール送信、QRコード、Webページへの埋め込み、Teamsでの共有です。会場アンケートではQRコード、社内調査ではTeamsチャネル、対象者が明確な調査ではメールが使いやすい方法です。
セミナー、展示会、説明会、社内研修の申込フォームでは、必要最小限の項目に絞ることが重要です。一般的には、氏名、会社名・部署名、メールアドレス、参加希望日、希望セッション、連絡事項を設定します。
氏名や連絡先にはテキスト、希望日には日付、参加枠には選択肢を使います。入力例や個人情報の利用目的は説明文に明記し、必要な項目だけを必須にしてください。外部公開の申込フォームでは、収集する個人情報の範囲、保存期間、問い合わせ先を社内規程に沿って設計することが必要です。
申込完了メール、担当者への通知、定員管理、リマインド、参加者リストへの転記が必要な場合は、Power Automateを組み合わせます。座席の残数に応じた受付停止や複雑な審査・承認を行う場合は、Forms以外の仕組みも含めて検討しましょう。
フォームの「応答」タブでは、回答数、質問別の集計、平均値、回答傾向を確認できます。必要に応じて個別回答を確認し、概要リンクを使って結果を共有できます。個人情報を含む結果を共有する場合は、共有先と閲覧権限を限定してください。
「Excelで開く」から回答データを表形式で確認できます。Excelでは、フィルターで条件を絞り込んだり、ピボットテーブルで属性別に集計したり、グラフで報告資料を作成したりできます。
継続的に回答を受け付けるフォームは、Excelファイルの保存場所、編集権限、バックアップ、担当者変更時の引き継ぎをあらかじめ決めましょう。Power Automateを利用すれば、回答をSharePointリストや別のデータベースに転記し、担当者へ通知する運用も構築できます。
従業員満足度調査、顧客満足度調査、イベント後アンケート、製品への意見収集に利用できます。回答者の属性や目的に応じて分岐を設定し、質問数を必要最小限にすると回答しやすくなります。
「新しいクイズ」では、正解、配点、フィードバックを設定できます。社内研修、授業、小テスト、コンプライアンス研修後の理解度確認に活用できます。自動採点できる問題と自由記述を組み合わせることで、定量・定性の両面から確認できます。
TeamsのPollsは、会議中の意思確認や研修中の理解度チェックに便利です。PowerPointで投票やクイズを提示すれば、参加者のスマートフォンからその場で回答してもらえます。会議やセミナーを一方通行にせず、参加者の反応を把握する用途に適しています。
SharePointとの連携機能を利用できる環境では、フォーム入力を基にWordテンプレートへ値を差し込み、申請書や報告書などの定型文書を作成できます。紙・PDFへの転記作業を減らせる可能性がありますが、利用条件、データ保存先、承認フローを確認してから導入してください。
Microsoft Formsの利用条件と回答上限は、アカウント種別や契約内容によって異なります。導入前にはMicrosoftの最新のライセンス情報を確認してください。
大規模な回答を受け付けられても、Forms画面の分析機能には実用上の制約があります。回答規模、個人情報の有無、外部公開の有無、必要なワークフローを踏まえて、Excel、SharePoint、Power Automate、Power BIなどを組み合わせることが重要です。
Microsoft Formsは、アンケート、申込受付、クイズ、投票を迅速に作成・配信できる、Microsoft 365の情報収集の入口となるツールです。Formsで素早く回答を集め、Excelで分析し、Teamsで配信し、Power Automateで後続処理を自動化することで、紙やメール中心の業務を効率化できます。
2026年は、InfoPathの完全終了を受けたフォーム移行、Purview感度ラベルによる情報保護、Surveys AgentとCopilot Chatによる設問作成・分析支援、SharePoint連携による文書生成が重要なポイントです。
ただし、Formsは万能な業務アプリ作成ツールではありません。単純なアンケートや受付はForms、通知・承認・転記はPower Automate、複雑な入力画面や業務ロジックはPower Appsというように、要件に応じて使い分けることが成功の鍵です。まずは社内アンケートやイベント申込などから始め、セキュリティとデータ管理のルールを整えながら活用範囲を広げましょう。
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