近年導入する企業が増えている1on1ミーティング。上司と部下が定期的に行う面談のことです。
通常の面談と異なるのは、「短い期間で定期的に実施」すること。
人材を育成する観点で様々なメリットがあるため世界的にも注目をされている手法です。日本においてはヤフーで取り入れられたことにより注目を集めています。
しかし、実際に1on1を導入する際にまず何をすればいいのか、また面談中に何を話せばいいのかなど、わからなことも多いのでは。
今回は1on1ミーティングについて成功するためのポイントをまとめてみたいと思います。
1on1ミーティングが人気となっている背景としては、社内人材の多様化です。労働人口の減少に伴い、年功序列や終身雇用という枠組みが崩れつつあり、人材の動きが流動的になっています。
また、企業の競争環境も激化しており、企業として将来の見通しをたてることが難しくなっています。そのため、個々の人材のモチーベーションや、創造性を高めることによって柔軟に変化に対応をしていく必要があります。
このような状況もあり、1on1ミーティングは最適なコミュニケーションツールとして機能しています。
質の高いコミュニケーションを生み出すことにより、時代の変化に対応する組織風土を醸成することが重要となっています。
1on1ミーテイングは面談ではありません。
定期的に上司と部下で対話を繰り返すことにより、部下の進捗を確認し、問題解決をサポートし、その部下の目標達成と成長支援を行うものです。
社員ひとりひとりの能力を引き出し、最大化をすることを目的とし、個の力を引き出すマネジメントをすることに最終的にはつながります。
1on1を実施して失敗する企業の多くは面談と勘違いしているケースが多くあります。1on1は面談ではありません。
やり方は簡単です、上司と部下が1週間に20分〜30分ほど話ます。
そのやりとりを通して上司が部下のことを知ることができ、アドバイスや仕事への姿勢を観察することができます。
部下本人の気づきを促し成長をすることで、会社の利益に貢献することにつながります。
部下がだまったときに上司が我慢できるかどうか。答えやヒントを与えると部下は上司に依存する関係になってしまいます。
主体的でない・考えない部下になってしまうのは99%上司の責任です。
部下が黙った時こそ、初めて部下が主体的に考え始めているといえます。その部下に上司が寄り添えるかが重要です。
この質問のポイントは中身を上司が決めないことです。最初部下は動揺するかもしれません。
コミュニケーションがうまく生まれず沈黙があるかもしれません。しかし、慣れてくれば 1on1前に何を話そうか先に考えてくるようになります。
考えながら思考することが大事ですので、部下が考えているテーマにあわせて一緒に上司が歩くようなイメージを持ちます。「他には?」と問いかけをすることはとても重要です。
考えない、依存する部下をつくらないように、質問する側が答えの制限をするような問いかけは避けます。
「他にある?」「他にはどうかな?」など寄り添いながらしっかりと問いかけをしましょう。
これも上司が聞きたいから聞く質問ではありません。部下が自分の経験を振り返り、教訓を得て次につなげることができるように聞きます。詰問ではありません。
詰問すると部下は上司の求めている答えを言おうとしてしまいます。教えすぎることはよくありません。
ミーティングを終えて部下が「この時間は自分のためにとってくれた」と思えたら成功です。
逆に、「私の経験から言って・・」「私はこう思う・・」など、部下の気づきを止めてしまうような問いかけは1on1ミーティングではNG質問となります。
経験学習とは、本人が実際に経験した事柄から得る学びを指します。
デイビッド・コルブによって提唱をされた経験学習理論。
大人の学びと子供の学びは違うということです。
経験→内省→教訓の概念化→実践へと変えていく、これが大人の学習の根幹となります。
何度も失敗を繰り返す人は内省と概念化がうまくできていません。
また、このプロセスは一つでも飛ばすとうまくいきません。経験学習のサイクルは誰かに話を聞いてもらうことが大事です。
また、話すことによって整理が進みます。
1on1ミーティングではそれが可能となっています。
やりがいを感じた仕事について部下に尋ねます。もし無ければ翌週も同じ質問を繰り返します。やりがいを感じた仕事の話がでてくるようであれば、なぜ一生懸命になれたかを聞きます。
どの仕事であれば実現できるのかを考えることにより、キャリア自立の支援につながります。
部下のキャリア自立支援ができるのも1on1ミーテイングです。
日本人が最も苦手としているのはフィードバックです。
部下の行動が周りからどう見えているのか、上司が部下に伝えることにより部下の成長を支援するための方法です。
フィードバックは評価ではありません。
上司が部下をちゃんと観察をして、本人の適正な仕事や他人からどんな風に見えているか伝えることは、本人の成長に強く貢献することができます。フィードバックの数とケースが増えれば本人の成長は進みます。
本人がわかっていなことを言葉を選んで伝えてあげることがフィードバックです。
在宅勤務、オンライン会議、フリーアドレス、何かうかつなことを言えばハラスメントとなります。
現代の職場環境はますますコミュニケーションを難しくしています。部下のことをどれぐらい分かっているのでしょうか。
知っていればこんなに得なことはありません。より深いコミュニケーションを通じて上司と部下の信頼関係は生まれます。
良い上司と言われる人は、部下に良い経験になる仕事をとってくるひとです。そのためには部下をよく知ることが大切です。
上司部下の関係は、部下が絶好調の時は良いのですが、退職を考えたり、辛い時に本音を話してもらえるかが重要です。
その時に退職をされないということだけでも費用対効果につながります。現代は人材獲得競争の時代です。
特に、リモートワークにおいてはコミュニケーションがうまくとれないことも増えていますので積極的に1on1ミーティングなど話す機会を増やす必要があります。
必ず週一回5分でも10分でも積み重ねることです。部下が上司に対して本音を伝えるようになったら関係構築の証となります。
こちらの記事で1on1のための日程調整ツールを紹介していますので、ぜひご覧ください。
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