Outlookでメールを自動転送できることを知っていても、実際に転送するとなると正しく動くかどうか心配で躊躇している方も多いのではないでしょうか。
自動転送ができなかったり、宛先を誤って違う人に情報が回ってしまったりなどのトラブルは避けなければなりません。また近年は「新しいOutlook」へのエンタープライズ向け強制移行の延期(2027年3月まで、従来版は少なくとも2029年までサポート予定)や、Microsoft 365のセキュリティ強化による外部転送ブロックなど、最新の動向を踏まえた運用が求められています。
本記事では、自動転送するときに気を付けることから、利用環境(新しいOutlook・従来版・Web版)に合わせた設定手順、転送に失敗しないためのコツ、転送できなかった時の対処法までを具体的な設定例とともに紹介します。
自動転送は大変便利な機能です。最新の仕様やセキュリティ対策を理解して使いこなし、業務負担を減らしましょう。
手軽に利用できる電子メールですが、情報漏洩などセキュリティリスクがあることを常に意識しましょう。
メール転送におけるリスクと最新の注意点を紹介します。
個人所有のアドレスなど、組織外のアドレスへのメール転送は、社外秘情報の漏洩リスクに直結します。ある調査では、98%のセキュリティ責任者が宛先誤りによる誤送信を重大リスクと捉え、96%の組織が過去1年に誤送信によるデータ漏洩を経験したと報告されています。
現在、Microsoft 365の標準設定では外部への自動転送がデフォルトでブロック(無効化)されています。また、企業側でクラウド型のDLP(データ損失防止)ポリシーを導入するケースが増加しており、最新のOutlookではポリシー違反時に警告ダイアログが表示され、転送理由の入力を求められるなど厳重に管理されています。さらにセキュリティ企業Proofpointによれば、攻撃者がアカウント乗っ取り後、わずか5秒で悪意のある転送ルールを仕掛け、機密情報を盗み出す事例(BEC:ビジネスメール詐欺)も急増しています。定期的に自動転送ルールを監査し、未知のルールが設定されていないか確認することが重要です。
自動転送を利用して外部ツール(CRMやチケット管理システムなど)へ連携するために従来のCOMアドイン(VSTOプラグイン)を使用していた場合、「新しいOutlook」ではサポート対象外となり動作しません。今後もサポート予定はないため、Webアドインへの移行や、Power Automateを利用した代替フローの構築を早めに検討してください。
従来のデスクトップ版でPOPアカウントを使用し、PSTファイルをOneDriveなどのクラウドストレージ上で同期させる運用は避けてください。2026年1月のWindows 11更新プログラム(KB5074109)適用後、PSTをクラウド同期しているOutlookがハングしたり起動不能になる不具合が多数報告されています。万が一症状が出た場合は、PSTファイルをクラウドフォルダからローカルドライブへ移動した上でプロファイル修復を行う回避策が推奨されています。
リダイレクト先が自動応答設定をしていると、メールの差出人に自動応答が送信されます。
メールの差出人が転送されていることを知らない場合、メールを送っていない相手から自動応答が来ることになるため注意が必要です。
※転送とリダイレクトの違いについては、「(補足)転送とリダイレクトの違い」をご参照ください。
AからBにメールを転送、BからAにメールを転送という設定になっていると、メールの転送が無限ループしてしまいます。
自動転送による大量メールループは、メールボックスの容量を圧迫するだけでなく、会社のメールサーバーに深刻な負荷をかけ他のメールアカウントにも影響が出る可能性があるため厳禁です。複数のルールを組み合わせる場合は、想定外のループが発生していないか必ずテストしましょう。
※上部のリボンに「ファイル」タブがある従来の画面での手順です。公式発表により、従来版(Classic)は「少なくとも2029年まで」サポートが継続されることが明示されています。
まずは転送先を連絡先に登録しましょう。
これは転送設定を簡単にするだけでなく、メールアドレスの打ち間違えなどで意図していないアドレスに転送してしまうのを避けるためでもあります。
転送先とやりとりをしたメールを開きます。

登録する宛先を右クリックします。
[Outlookの連絡先に追加]を選択してください。

情報を入力して、[保存して閉じる]をクリックします。
次に、転送ルールを設定しましょう。
Outlookメールを開きます。

ホームタブの[ルール]を開きます。
[仕分けルールの作成]をクリックしてください。

[詳細オプション]を開きます。

どのような条件のときに、メールを転送するか選択します。
条件は複数選択可能です。
選択できたら、[次へ]をクリックします。

転送先を指定します。
[名前/パブリック グループへ転送する]にチェックを入れます。
次に、ステップ2の[名前/パブリック グループ]をクリックします。

アドレス一覧が開きました。
転送する連絡先をダブルクリックすると、宛先に追加できます。
連絡先グループを選択することも可能です。
宛先を選択したら、[OK]をクリックしてください。

転送先が設定できました。
[次へ]をクリックします。

例外条件があれば設定します。
例外条件では、転送しない条件を設定すると、例外条件に当てはまるメールは転送しないようにできます。
例外条件がない場合は省略可能です。
設定できたら、[次へ]をクリックします。

仕分けの名称などを設定したら、[完了]をクリックします。

テストできる条件の場合は、転送のテストをしてみましょう。
Aさんから鈴木さんにメールを送信→鈴木さんから竹内さんにメールが転送されました。
自動転送を停止するには、ルールを停止または削除します。

Outlookメールを開きます。
ホームタブ[ルール]を開きます。
[仕分けルールと通知の管理]を選択してください。

転送を停止したいルールを選択します。
一時停止する場合は、チェックを外します。
ルールを削除する場合は、チェックを入れた状態で[削除]をクリックしてください。
誤って別のルールを削除してしまわないように気をつけましょう。
[OK]または[適用]をクリックすると、自動転送を停止します。
「新しいOutlook」へのエンタープライズ向け強制切り替え(Opt-outフェーズ)は、顧客企業の移行準備期間を確保するため2027年3月に延期されました。また、新しいOutlookはWeb版とのUI統合が進んでおり、設定画面もWeb版とほぼ同一です。さらに、2026年4〜5月にかけてのアップデートにより、インターネット非接続時でもメールにファイルを添付して送信予約(ネットワーク再接続後に自動送信)できるオフライン機能が強化されています。
画面右上に「新しいOutlook」のトグルスイッチがある、または設定の歯車アイコンがある新しいUIでの設定方法です。
Web版のOutlookでもメール転送設定をすることが可能です。
スマホアプリ(iOS/Android版Outlook)の画面からは直接ルールの作成や転送設定ができません。そのため、スマホメインで利用している方も、一度PCブラウザからWeb版Outlookにログインして設定を行う必要があります。
※一度PCやWebで設定したルールはサーバー側(サーバーサイドルール)で処理されるため、スマホの電源がオフでも自動転送は問題なく実行されます。
※なお、Web版や新しいOutlookを経由して日本のレガシーな受信システムに自動転送する場合、文字コードの違いによる文字化けに注意してください。モダンなOutlookはUTF-8エンコードで送信しますが、受信側のシステムが古いISO-2022-JP(JISコード)にしか対応していないと文字化けが発生する可能性があります。転送先システムの文字コード対応状況を確認し、必要に応じてシステム管理者にUTF-8対応を依頼してください。
転送設定をする前に、転送の宛先間違えを防止するため、転送先のメールアドレスを連絡先に登録します。
転送先とやり取りをしたメールを開いてください。

メールアドレス部分をクリックします。

連絡先情報が立ち上がります。
連絡先タブを開いて、[連絡先に追加]をクリックします。

連絡先情報を入力し、[保存]をクリックしてください。

メール画面に戻ります。
メニューの[…]をクリックしてください。
[ルール]から[ルールの作成]を開きます。

ルールの作成画面が開きました。
[その他のオプション]をクリックします。

ルールの設定が開きました。
①から設定していきましょう。

仕分けルールの名前を入力します。

次に、転送する条件を設定します。
差出人をクリックすると、条件メニューが表示されます。
条件を選択してください。

転送方法を選択します。
[アクションを選択してください]をクリックすると、メニューが表示されます。
転送方法を選択してください。

転送先のアドレスを指定します。
アクションの右横にある空白に、転送先アドレスまたは登録名を入力します。
候補が表示されますので、クリックして選択してください。

設定ができたら、[保存]して設定を閉じます。
自動転送を停止するには、ルールを停止または削除します。

メニューの[…]をクリックします。
[ルール]から[ルールを管理]をクリックして開いてください。

転送設定を削除せず「停止」する場合は、左のスイッチをクリックしてオフにします。
転送設定を「削除」する場合は、右のゴミ箱マークをクリックしてください。
具体的なシチュエーションに合わせた設定方法を紹介します。
「2023年7月1日から2023年7月10日」の期間、「テスト会社のメンバー」から届いたメールを「竹内さん」に転送する。
「テスト会社のメンバー」には、該当の期間は竹内さんが代理で連絡することを自動返信する。
以下の手順で設定を行います。

Outlook連絡帳を開きます。
[新しい連絡先グループ]をクリックしてください。

グループ名を[名前]に入力します。

[メンバーの追加]をクリックし、[Outlookの連絡先から]をクリックします。
連絡帳に登録していない連絡先もグループに登録できますが、メールアドレスの打ち間違えを防ぐため、あらかじめ連絡帳に登録しておくことをおすすめします。

グループに登録する連絡先をダブルクリックします。
ダブルクリックすると、メンバー欄に追加されます。
設定が終わったら、[OK]をクリックして閉じます。

[保存して閉じる]をクリックします。

Outlookメールを開きます。
[ルール]から[仕分けルールの作成]を開きます。

[詳細オプション]をクリックします。

[差出人が〇〇の場合]にチェックを入れます。
ステップ2にある差出人の名前をクリックすると連絡先一覧が表示されます。
先ほど設定したグループ「テスト会社」をダブルクリックして、[OK]を押します。
すると、「連絡先グループであるため、この機能とは連動できない可能性があります。各メンバーを代わりに使用しますか?」と聞かれるので、[はい]をクリックします。

続けて、転送する期間を設定します。
[特定の期間に受信した場合]にチェックを入れ、ステップ2の[特定の期間]をクリックします。
期間の設定が表示されます。
今回は「2023年7月1日~2023年7月10日」に届いたメールを転送したいので、受信日は次のように設定しましょう。
日付を設定したら、[OK]を押して閉じます。

条件が設定できたので、[次へ]をクリックします。

転送先を設定しましょう。
[名前/パブリック グループへ転送する]にチェックを入れ、ステップ2の[名前/パブリックグループ]をクリックします。
転送先をダブルクリックして選択し、[OK]を押します。

次に、自動応答メッセージを送信する設定をしましょう。
[通知メッセージを使ってサーバーで返信する]にチェックを入れ、ステップ2の[通知メッセージ]をクリックします。
メッセージ作成画面が開きますので、自動応答に使用するメールのタイトル、本文を入力します。
宛先に何も入れない場合、メールの差出人のみに自動応答メッセージが送られます。
設定が完了したら、[保存して閉じる]をクリックしてください。
処理の設定が完了したので、[次へ]をクリックします。

今回は例外条件を設定しないので、そのまま[次へ]をクリックしましょう。

仕分けルールの名前を入力します。
設定を確認したら[完了]をクリックしましょう。

転送ルールにチェックが入っているか確認します。
ルールはコピーが可能です。
コピーするルールにチェックを入れ、[コピー]をクリックします。
コピーしたルールをダブルクリックすると、ルールを編集できます。
メールが自動転送できない主な原因を紹介します。
自分の個人アドレスなど会社や組織外のアカウントに転送しようとした際、「550 5.7.520 Access denied, Your organization does not allow external forwarding」というエラーメール(NDR)が返ってきて転送できないケースが急増しています。これは近年のMicrosoft 365のセキュリティポリシー変更により、外部宛ての自動転送がデフォルトで無効化(ブロック)されているためです。
【管理者向けの対処法】
業務上どうしても外部への転送が必要な場合は、Microsoft 365の管理者に相談し、Exchangeの「アウトバウンドスパムポリシー」を変更してもらう必要があります。
Microsoft Defender ポータルの[ポリシーとルール]>[脅威ポリシー]>[迷惑メール対策]から、[送信スパム対策ポリシー (Outbound spam filter policy)]内の「自動転送」を「オン - 転送を有効にする」に変更します。ただし、情報漏洩リスクを考慮し、例外ルールや送信先ドメインを限定するなどの最小限の許可に留める運用が推奨されます。
メールの転送先が10を超えると、転送されません。
新しいOutlookなどのクラウド環境を含め、Exchange管理下の仕様上、転送先の同時宛先数に上限が設けられているためです。
ルール設定時に警告が出ないこともあり、気が付きにくい原因の一つです。
複数人に転送したい場合は、複数の送信先を含む配布リスト(メーリングリスト/メールグループ)を作成し、その1つのグループアドレス宛に転送ルールを設定する方法が有効です。またはPower Automateなどを活用して自動化フローを構築しましょう。
Microsoft 365 Copilotを利用できる環境であれば、複雑な設定画面を開かずに、AIとの自然言語チャットで転送ルールの作成やメール要約を指示できるようになりつつあります。
例えば、Copilotチャットに「今後◯◯社から来たメールは自動で▲▲さんに転送して」と依頼することで、設定のハードルを下げることが期待されます。ただし、ルールの自動構築はまだ限定的・プレビュー的な段階であり、実用には手動での確認が必要です。
また、注意点として2026年4月15日以降のライセンス体系変更が挙げられます。Microsoftの発表によると、有料の追加ライセンスを持たないユーザーはOutlook等でのCopilot機能が大幅に制限され、限定的な「Copilot Chat (Basic)」のみの提供となります。高度な推論能力やフル機能を利用するには「M365 Copilot (Premium)」ライセンスが必要となる(事実上のペイウォール化)ため、今後AIを活用したルール自動化やメール処理効率化を社内で展開する場合は、ライセンス予算の確保と計画的な導入検討が必要です。
メールの転送方法には「転送」と「リダイレクト」があります。
それぞれの違いを説明します。

転送の方法を[名前/パブリック グループへ転送する]にした場合、転送先のCさんへはBさんからCさんへの転送メールが送付されます。
メールの件名には転送を示す「Fw:」が付きます。
Cさんが自動応答メールを設定していた場合、自動応答メールはBさんに送信されます。

転送の方法を[名前/パブリック グループへリダイレクトする]にした場合、リダイレクト先のCさんへは、AさんからBさんに送ったそのままのメールが届きます。この時、宛先にCさんのアドレスはありません。
メールの件名に転送を示す「Fw:」は付きません。
Cさんが自動応答メールを設定していた場合、自動応答メールはリダイレクトしたBさんではなく、Aさんに届きます。
手作業でメールを転送するよりも、自動転送機能を使えば、手間がかからず、転送漏れを防ぐことができ一石二鳥の業務改善になります。
またOutlookでは、転送条件やアクションが細かく設定でき、多くの場面に対応が可能です。設定方法も簡単で、5分もあれば設定できます。
本編でも触れましたが、メールの自動転送は便利な反面、情報漏洩などの観点から、注意する点がいくつかあります。
ルールを作成したら、意図したとおりに転送されるか念入りにテストをするようにしましょう。
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