メールは仕事やプライベートで欠かせないコミュニケーションツールですが、迷惑メールに悩まされていませんか?迷惑メールは、単に邪魔なだけでなく、ウイルス感染、認証情報の窃取、送金詐欺などのリスクにもつながります。
そこでこの記事では、Outlookで迷惑メールを設定する方法を解説します。Outlookには、迷惑メールの自動判定、特定送信者のブロック、Microsoftへの通報、信頼できる差出人の登録など、受信トレイを安全に保つための機能が用意されています。
なお、Windows版Outlookでは従来のデスクトップアプリであるClassic版と、Web版に近い操作性を持つ新しいOutlookが併存しています。企業ユーザー向けの新しいOutlookへの強制移行期限は2027年3月まで延期されており、移行までの準備期間が確保されています。一方で、新しいOutlookでは連絡先(People)機能の強化、組織アドレス帳と個人連絡先を横断した検索、メールのピン留め、スヌーズ、送信予約などの機能追加も進んでいます。自社で切り替える場合は、迷惑メール設定だけでなく、これまで使っていた機能との差分も事前に確認しておきましょう。
また、迷惑メール以外の整理方法やおすすめのメール設定、さらに自社から送るメールが迷惑メールにならないための対策も紹介します。この記事を参考に、ストレスの少ない安全なメール環境を整えましょう。
まずは、迷惑メール設定の前に、迷惑メールにはどのような種類があるのかを確認しておきましょう。
迷惑メールには、大きく分けて以下の3種類があります。
商品やサービスの宣伝を目的として送られてくるメールです。一度登録したサイトや購入したショップから届く場合もありますが、まったく関係のない送信元から届くこともあります。
不要な広告メールが増えると、受信トレイを確認する時間が増え、重要なメールを見落とす原因にもなります。必要なメールマガジンはフォルダーやルールで整理し、不要なものは配信停止やブロックを使い分けましょう。
当選、相続、請求、アカウント停止、社内依頼などを装い、金銭や個人情報、ログイン情報をだまし取ろうとするメールです。IPAの情報セキュリティ10大脅威でも、ビジネスメール詐欺による金銭被害は組織向け脅威として継続的に注意喚起されています。
以前は、不自然な日本語や誤字脱字から詐欺メールを見分けられることもありました。しかし現在は、生成AIの普及により文面が非常に自然になっています。調査では、フィッシングメールの多くにAI生成コンテンツが含まれ、ビジネスメール詐欺(BEC)にもAIが関与していると報告されています。文面が丁寧だから安全、社内メールのように見えるから本物、という判断は危険です。
国内でも、社長や役員を装い、会社のLINEグループ作成やQRコード送信を依頼する詐欺メールが確認されています。メールでLINEグループに誘導した後、取引先への支払い、残高スクリーンショット、口座情報の提出などを求める手口です。送信者名が社内の人物に見えても、実際の差出人アドレスがフリーメールや不審なドメインであるケースがあります。
急な送金依頼、口止めを伴う依頼、メール以外のアプリへ誘導する依頼、QRコードを読み取らせる依頼が届いた場合は、メールに返信せず、電話や対面など別の手段で本人確認を行いましょう。
添付ファイルやリンクを開かせ、ウイルス感染や偽ログインページへの誘導を狙うメールです。パソコンの不具合だけでなく、社内アカウントの乗っ取り、個人情報の流出、取引先への二次被害につながる可能性があります。
近年は、添付ファイルだけでなく、メール本文内のリンク、PDF内のリンク、カレンダー招待、Teamsなどのチャットツール、QRコードを悪用する手口も増えています。特にQRコードを使ったフィッシングは、メールセキュリティ製品のURL検査をすり抜けやすく、私用スマートフォンで読み取ると会社の保護環境の外に誘導されるおそれがあります。
見覚えのない会議招待、社内通知を装ったPDF、行動規範違反やコンプライアンス調査を名乗るメール、本文中のQRコードには注意が必要です。少しでも違和感がある場合は、リンクやQRコードを開かず、社内IT部門や送信元本人に確認しましょう。
Outlookの迷惑メール設定を整えると、単に不要なメールを減らせるだけでなく、業務効率やセキュリティにも大きなメリットがあります。
迷惑メール設定を行うことで、確認すべきメールが受信トレイに残り、不要なメールは迷惑メールフォルダーや別フォルダーへ整理されます。毎日大量のメールを確認している人ほど、削除や仕分けにかかる時間を減らせます。
受信トレイが整理されることで、重要な取引先からの連絡や社内の依頼を見逃しにくくなる点も大きなメリットです。
迷惑メールの中には、ウイルス感染、偽サイトへの誘導、パスワード窃取、送金詐欺を目的としたものがあります。迷惑メールフィルター、ブロック、外部送信者表示、画像の自動表示制御などを組み合わせることで、危険なメールに触れる機会を減らせます。
企業でMicrosoft 365を利用している場合は、Exchange Onlineの外部送信者タグ(External表示)を有効にすることも有効です。社内の人物になりすました外部メールを視覚的に判別しやすくなります。
不要な広告メールや不審メールが受信トレイに多いと、確認のたびにストレスを感じます。迷惑メール設定やルール、フォルダー整理を行えば、必要なメールだけに集中しやすくなります。
迷惑メール対策は、一度設定して終わりではなく、定期的に見直すことで効果を維持できます。ここからは、Outlookで設定できる具体的な方法を見ていきましょう。
現在のOutlookには、Classic版、新しいOutlook、Web版Outlook、モバイル版Outlookがあります。設定項目名や画面の位置は環境によって多少異なりますが、基本的な考え方は共通しています。ここでは新しいOutlookやWeb版に近い画面構成を中心に解説します。
Outlookには、受信したメールを自動的に判定し、迷惑メールフォルダーへ移動する機能があります。判定が厳しすぎると必要なメールまで迷惑メール扱いされる可能性があり、緩すぎると不審メールが受信トレイに残ります。
重要な取引先、社内システム、利用中のサービスからのメールは、信頼できる差出人やドメインに登録しておくと誤判定を減らせます。一方で、信頼できる差出人に登録しすぎると危険なメールを通してしまう可能性もあるため、本当に必要な送信元に絞りましょう。
また、信頼できる差出人以外からの添付ファイル、画像、リンクをブロックする設定を使うと、不審なメールのリスクを下げられます。特に、追跡ピクセル付き画像や偽サイトへのリンク対策として有効です。
Outlookでは、特定の送信者やドメインからのメールをブロックできます。不要な広告メールや、明らかに不審な送信元から繰り返し届くメールに有効です。
ただし、攻撃者は送信元アドレスやドメインを頻繁に変えるため、個別ブロックだけで完全に防ぐことはできません。迷惑メールフィルター、通報、外部メール表示、社員教育と組み合わせて使いましょう。
Outlookでは、受信した迷惑メールをMicrosoftに通報できます。通報された情報は迷惑メール判定の改善に活用され、結果的に組織全体や他のユーザーの保護にもつながります。
最近のOutlookでは、迷惑メール報告と購読解除の操作も使いやすくなっています。送信元が正式な購読解除ヘッダー(List-Unsubscribe)を実装している場合、迷惑メールとして報告する際に、メーリングリストの購読解除も同時に行えることがあります。
広告メールであっても、正規のサービスから届いている場合は、いきなりブロックするよりも配信停止を使う方が適切なケースがあります。一方、身に覚えのない送信元や詐欺の疑いがあるメールでは、本文内の解除リンクを安易にクリックせず、Outlookの報告機能を使う方が安全です。
スマートフォンでOutlookを使っている場合は、モバイル版アプリのセキュリティ設定も確認しましょう。モバイル版Outlookでは、未認証または外部送信元であることを示す表示や、外部画像の自動表示を制御する設定が強化されています。
2026年4月以降、モバイル版Outlookには、信頼できる差出人からのメールのみ外部画像を自動表示するオプションが追加されています。これにより、追跡ピクセルなどをブロックしながら、信頼できるニュースレターや業務メールの画像は表示しやすくなります。
なお、Android向け軽量版アプリのOutlook Liteは2026年5月25日にサポートが終了しました。サポート終了後はアプリを起動できても、メールボックスへのアクセスやアプリ内ナビゲーションが利用できなくなるため、利用していた場合は通常版のOutlookモバイルアプリへ移行してください。
Outlookでは、迷惑メール設定以外にも、受信メールを整理するための機能があります。代表的なのがフォルダー作成とルール作成です。
Outlookでは、自分でフォルダーを作成し、受信したメールを分類できます。たとえば、仕事、プライベート、請求書、ニュースレター、取引先別などのフォルダーを作成しておくと、必要なメールを探しやすくなります。
ただし、フォルダーを細かく作りすぎると、かえって確認漏れが起こることがあります。特にモバイル版Outlookでは、受信トレイ直下以外のフォルダーでは新着通知に制限がある場合があります。スマートフォンで重要メールを確認する運用をしている場合は、フォルダー階層を浅く保つ、重要な通知が必要なメールは受信トレイ直下のフォルダーに振り分けるなどの工夫が必要です。
Outlookでは、受信メールに対して自動処理を行うルールを作成できます。たとえば、特定の差出人からのメールをフォルダーへ移動する、件名に特定キーワードが含まれるメールを分類する、重要度の高いメールを通知する、といった使い方ができます。
ルールを使うと手動整理の手間を減らせますが、作りすぎには注意が必要です。Exchange Online環境では、受信トレイルールの総容量に上限があり、条件を細かくしすぎると新しいルールを追加できない、既存ルールが期待どおり動作しないといった問題が起こることがあります。
ルールは、差出人、ドメイン、件名キーワードなど、再現性の高い条件に絞ってシンプルに設計しましょう。広告メールや通知メールの整理にはルールが便利ですが、重要なメールまで自動的に見えにくい場所へ移動しないよう、定期的に振り分け結果を確認することも大切です。
Outlookの優先受信トレイ(Focused Inbox)を使うと、重要度が高いと判断されたメールが優先タブに、それ以外のメールがその他タブに分類されます。手動ルールだけでは整理しきれない広告メールや通知メールの選別に役立つ場合があります。
ただし、自動分類の結果が常に正しいとは限りません。使い始めは、優先とその他の両方を確認し、必要に応じて分類を修正しましょう。
ここからは、Outlookで実際に設定しておきたい項目を紹介します。以下の設定を組み合わせることで、本当に必要なメールを受信トレイで確認しやすくなり、迷惑メールの処理時間や見落としを減らせます。
まず、確実に届いてほしいメーリングリスト、取引先、社内システムのメールアドレスやドメインを、信頼できる差出人として登録します。

画面右上の歯車アイコンから設定画面を開きます。

「メール」>「迷惑メール」を開きます。

「受信許可のメーリングリスト」または「信頼できる差出人とドメイン」の追加ボタンをクリックします。

入力欄にドメインまたはメールアドレスを入力します。

「保存」をクリックします。

設定画面を開き、「メール」>「迷惑メール」を選択します。

フィルター設定の「信頼できる差出人とドメインのリストにない送信者からの添付ファイル、画像、リンクをブロックする」を必要に応じてチェックします。

「保存」をクリックします。設定後は、必要なメールの画像やリンクまでブロックされていないか確認しましょう。

設定画面を開き、「メール」>「迷惑メール」を選択します。

「受信拒否送信者とドメイン」の追加ボタンをクリックします。

ブロックしたいドメインまたはメールアドレスを入力します。

「保存」をクリックします。
広告メールやニュースレターの中にも、後で読みたいものはあります。その場合は、受信トレイに残さず、専用フォルダーへ自動振り分けすると便利です。

受信トレイを右クリックし、サブフォルダーを作成します。

フォルダー名を入力します。

振り分け設定をするために設定画面を開きます。

「ルール」をクリックします。

「新しいルールを追加」をクリックします。

①ルール名を入力します。
②条件として「差出人」にメールアドレスやドメインを指定します。
③アクションに「指定の場所に移動」を設定します。
④移動先に、さきほど作成したフォルダーを指定します。
最後に「保存」をクリックします。
顧客や取引先にメールを送る企業にとっては、受信側の迷惑メール対策だけでなく、自社メールが迷惑メール判定されないための対策も重要です。MicrosoftやGoogleなどの主要プロバイダーは、迷惑メール対策や送信ドメイン認証の評価を強化しています。
自社ドメインから送るメールには、SPF、DKIM、DMARCを適切に設定しましょう。これらは、自社ドメインをなりすましたメールではないことを受信側に示すための仕組みです。設定が不十分な場合、正規のメールであっても迷惑メールフォルダーに入ったり、受信拒否されたりする可能性があります。
また、メールマガジンや通知メールでは、配信停止の導線を明確にし、List-Unsubscribeヘッダーなどの標準的な購読解除方法に対応することが推奨されます。Outlookでも、正式な購読解除情報を持つメールはユーザーが安全に解除しやすくなっています。
海外展開している企業や、SaaS、EC、採用、予約通知など大量のメールを送る企業は、DMARCのポリシー、送信IPの評判、バウンス率、迷惑メール報告率を定期的に確認しましょう。自社メールが届かないことは、問い合わせ対応の遅延や商談機会の損失にもつながります。
迷惑メールの手口は常に変化しています。生成AIで自然な文面を作る、QRコードで偽サイトへ誘導する、カレンダー招待やチャットツールを使う、社内通達やコンプライアンス通知を装うなど、従来の見分け方だけでは対応できません。
そのため、Outlookの設定は定期的に見直しましょう。迷惑メールフォルダーに必要なメールが入っていないか確認し、誤判定されたメールは「迷惑メールではない」とマークします。逆に、受信トレイに届いた不審メールは迷惑メールとして報告し、必要に応じて送信者やドメインをブロックします。
不要になったメーリングリストは配信停止し、読みたいメールはフォルダーやルールで整理します。ただし、ルールやフォルダーを増やしすぎると運用が複雑になり、重要メールの見落としにつながるため、定期的に整理しましょう。
企業利用の場合は、個人の設定だけでなく、Microsoft 365管理センターやExchange Online側の外部送信者表示、SPF・DKIM・DMARC、MFA、多要素認証、社員教育もあわせて見直すことが大切です。特に金銭やアカウント情報に関わる依頼は、メール、電話、チャット、ビデオ通話のどれであっても、別経路で確認する社内ルールを作っておくと安心です。
Outlookは、迷惑メールを減らすだけでなく、受信メールを整理し、重要なメールを見つけやすくするための機能を備えたメールソフトです。
迷惑メールフィルター、信頼できる差出人の登録、ブロック、通報、フォルダー、ルール、優先受信トレイを組み合わせることで、受信トレイを安全で使いやすい状態に近づけられます。
一方で、迷惑メールやフィッシングの手口は日々進化しています。文面の自然さだけで判断せず、不審なリンク、添付ファイル、QRコード、急な送金依頼、外部アプリへの誘導には慎重に対応しましょう。
ぜひこの記事を参考に、Outlookの迷惑メール設定とメール整理の方法を見直してみてください。
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