Outlookでは、デスクトップアプリだけでなく、Web版のOutlook(Outlook on the web)やスマホアプリ版(iOS/Android)でも標準機能として送信予約が可能です。
近年、働き方改革の推進により、日本国内でも深夜(22時以降)や早朝(7時以前)、および休日の業務メール送信を避けるビジネスマナーが定着しつつあります。世界的に見ても、勤務時間外の連絡に応じない「Right to Disconnect(接続しない権利)」を法制化する動き(フランスやオーストラリアなど)が広がっており、就業時間外のメール送信は従業員の生産性や健康の観点から自主規制される傾向にあります。
自分の都合の良い時間にメールを作成しつつ、相手の勤務時間に合わせて連絡できる「送信予約」は、こうしたマナーやコンプライアンスに配慮するための必須機能です。また、送信タイミングの最適化は、返信の集中を避けたり、相手の確認漏れを防いだりと業務効率化にも有効です。
本記事では、「従来のOutlook(クラシック版)」と「新しいOutlook」、それぞれの送信予約手順や処理される仕組み(パソコン上で処理されるか、クラウド上で処理されるか)、さらには誤送信対策やAI(Copilot)活用を見据えた最新の運用方法について解説します。
※本項目では「従来のOutlook」での手順を解説します。Microsoftは従来の「クラシック版」Outlookを少なくとも2029年まで提供すると案内しており、企業向け「新しいOutlook」への移行は段階的に進むとされています。そのため、日本企業では当面この「従来版」と「新しいOutlook」の併存運用が続くと見込まれます。「新しいOutlook」をご利用の場合は、後述の「Web版・新しいOutlook:送信予約の方法」と同じ手順となります。

予約送信するメールを作成します。
メールが作成できたら、[オプション]をクリックしてください。

[配信タイミング]をクリックします。

[指定日時以降に配信]にチェックを入れます。
日付と時間をそれぞれクリックして、日時を設定してください。
30分刻み以外の細かい時間を指定したい場合は、カスタム時間として時刻を直接設定します。
[閉じる]をクリックします。

送信予約ができていれば、[配信タイミング]ボタンがグレーになります。
ボタンがグレーになっていることを確認し、[送信]ボタンを押します。
送信予約が完了しました。

予約したメールは、[送信トレイ]に入ります。
送信後は、[送信済みアイテム]に移動します。

[送信トレイ]から、予約を取り消すメールを開きます。
オプションタブを開き、[配信タイミング]をクリックしましょう。

[指定日時以降に配信]のチェックを外します。
[閉じる]をクリックしてください。

[配信タイミング]ボタンがグレーから白に変わりました。
すぐに送信する場合は、[送信]をクリックします。
送信しない場合は、[×]マークをクリックして閉じましょう。
メールは[送信トレイ](または下書き)に保存されます。
日時を指定して送信する以外に、仕分けルールを使って「すべての送信メールを指定した時間だけ遅らせて送信する」ことも可能です。
送信ボタンを押した直後の「あっ、宛先を間違えた!」「添付ファイルを忘れた!」といったミスに対処するための猶予時間を設けることができます。Outlookのクライアント側ルールを用いれば最大120分まで送信遅延が可能であり、社外への誤送信や情報漏洩を防ぐ「簡易かつ無料のセーフティネット」として、国内外問わず多くの企業で導入されています。
※なお、Web版(Outlook on the web)や新しいOutlookでは、送信ボタンを押した直後の事故防止策として、最大10秒間の猶予を持たせる「送信の取り消し(Undo Send)」機能が利用できます。一方で、従来版でより長い猶予(最大120分)を持たせたい場合は以下のルール設定が有効です。

Outlookメールを開き、ホームタブの[ルール]をクリックします。
[仕分けルールと通知の管理]をクリックしてください。

[新しい仕訳ルール]をクリックします。

[送信メッセージにルールを適用する]をクリックし、[次へ]をクリックします。

すべての送信メールに対して送信を遅らせる場合は、条件を何も設定せず[次へ]をクリックしてください。
その場合、すべてに適用されるが問題ないか聞かれますので、[はい]をクリックします。
一部のメールのみ送信を遅延させる場合は条件を設定して、[次へ]をクリックください。

[指定した時間 分後に配信する]にチェックを入れます。
ステップ2の青字部分[指定した時間]をクリックし、何分遅らせるか指定してください。
最大120分まで遅延させることが可能です。
[OK]して、[次へ]をクリックします。

例外条件(条件〇〇の場合は遅延させない)がある場合は、設定してください。
[次へ]をクリックします。

ルールの名前を入力し、[完了]をクリックします。

メッセージの内容を確認して、[OK]を押します。

[OK]をクリックすれば、設定完了です。

[ルール]から[仕分けルールと通知の管理]を開きます。

送信遅延を停止する場合は、仕訳ルールのチェックを外してください。
送信遅延のルールを削除する場合は、[削除]をクリックしてください。
削除をクリックするときは、他のルールにチェックが入っていないか確かめてから、削除ボタンを押してください。チェックが入っている他のルールも削除されてしまいます。ご注意ください。
設定が完了したら、[OK]を押します。

Web版Outlook(Outlook on the web)および、デスクトップの「新しいOutlook」で予約送信するメールを作成します。
送信ボタンの右にある[下向き矢印](vマーク)をクリックします。
次に、[スケジュール送信](または「送信の日時指定」)をクリックしてください。

送信時間を選択します。
候補日以外に送信したい場合は、[カスタム時間]をクリックします。
日付、時間を選択し、[送信]を押してください。
時間は候補から選ぶほか、カスタム時間として任意の時刻を細かく指定することも可能です。

予約送信したメッセージは、クラウド側の[下書き](Draft folder)に保存されます。そのため、送信前であれば内容の再編集が可能です。
送信後は[送信済みアイテム]に移動します。

予約を取り消す、または内容を編集したいメールを[下書き]から開きます。
鉛筆マーク[スケジュール送信オプション]をクリックし、[メールの変更]を選択します。

メールの編集画面に戻り、送信予約が取り消された状態になります。修正後、すぐに送信したい場合は[今すぐ送信(Send Now)]をクリックして即時送信に切り替えることができます。
iOSおよびAndroid版のOutlookアプリでも、スケジュール設定(送信予約)が可能です。ただし、環境やアカウント種別によって表示や機能がPC版/Web版と異なる場合があります。
1. 予約送信するメールを作成します。
2. 送信ボタン(紙飛行機マーク)を長押しする、またはメニュー(…)をタップします。
3. [送信のスケジュール設定]をタップします。
4. 候補の時間が表示されるので選択するか、[カスタム時間]を選んで希望の日時を指定し、決定します。
スマホ版で設定した予約メールはクラウド上で処理されるため、設定後にアプリを閉じたり、スマートフォンがオフラインになったりしても、指定した時間に自動的にサーバーから送信されます。外出先での利用にも便利ですが、重要なビジネスメールについては、最終送信はWeb/PC版で予約確認する運用も安全です。
送信予約したのにメールが送信できなかった時は次のような原因が考えられます。
詳しい説明は以下の通りです。
送信予約したメールが、PCの電源を切った状態でも送信されるかどうかは、利用しているOutlookのバージョンおよびアカウント設定によって異なります。「予約したのに送信されなかった」というトラブルの最も多い原因です。
従来のOutlookを利用しており、夜間や長期休暇などでPCを起動しておくことが難しい場合は、Web版のOutlook(Outlook on the web)からスケジュール予約をするか、クラウドベースで動作する「新しいOutlook」での操作に切り替えるのが安全です。なお、従来版の[送信トレイ]と新版/Web版の[下書き]は挙動が異なるため、新旧Outlookを並行して使う場合は予約メールが同期されない点にも注意しましょう。

送信予約設定をした後に、予約メールを開いて[×]マークで閉じると、下書きメールになってしまうので注意が必要です。
状態アイコンが「紙飛行機」マークだと送信予約、「メモ+えんぴつ」マークは下書きの状態を表します。
下書きの状態だと、送信日時「なし」になり、予約送信されません。

再度予約メールにするには、下書き状態になっている予約メールを開きます。

送信日時を変更する必要がなければ、[送信]をクリックします。
変更する必要があれば、[オプション]の[配信タイミング]で変更してから、[送信]をクリックしてください。

送信予約状態になりました。
Outlookの送信予約は、1年後など遠い日付の予約をすることも可能です。
毎年決まった連絡事項、例えば年末調整や契約更新前の連絡などをあらかじめ送信予約しておけば、通達漏れを防ぎ、いつ連絡するかの管理業務を減らすことができます。
他にも、様々なビジネスシーンで活用できます。少しだけ例を挙げてみましょう。
深夜・早朝のメールマナーと社内ルールの策定
夜間や休日にメールを作成した場合、そのまま送信すると受信者のスマートフォンなどに通知が届き、休息やプライベートの時間を妨げてしまう可能性があります。こうした時間外送信を防ぐだけでなく、「返信は始業直後にまとめて送る」「退勤後に作成したメールは翌朝の予約送信にする」「重要顧客向けは送信遅延を入れる」といった運用を個人の裁量ではなく、チームや部署のポリシーとしてルール化すると、誤送信防止や働き方改革の面でさらに効果的です。
最新のAI機能(Copilot)による送信最適化
MicrosoftはOutlook 2024やMicrosoft 365において、AIアシスタント「Copilot」との連携を強化しています。将来的には、メール内容や相手の所在地域、過去の送信履歴などをAIが分析し、「最適な送信タイミングを提案・自動設定するスマート送信予約」や「複数メールの一括スケジューリング」などが可能になると期待されています。テクノロジーを活用することで、単純な予約送信を超えた高度なコミュニケーション最適化が進むでしょう。
サードパーティ製ツールのリスクと標準機能の活用
過去には、Outlook用のスケジュール調整・予約送信に関連するアドインが長期間放置された結果、悪意ある第三者に乗っ取られてマルウェア化したセキュリティインシデントも報告されています。不要な外部ツールやサポートの切れたアドインに頼ることは情報漏洩などのリスクとなるため、極力Outlook標準の送信予約機能や仕分けルールを活用し、安全かつ確実なメール運用を心がけましょう。
予約システムを導入すると収益、業務効率化に多くのメリットがあります。どの予約システムが良いか選択にお困りの方は、普段使っているGoogleカレンダーやOutlookなどのカレンダーサービスをベースにした予約管理システムの導入がおすすめです。


