「また、あのツールを開くのか……」
1日に何度もブラウザのタブを行き来し、Slack、カレンダー、日程調整ツール、そして議事録ツールを往復する。プロダクトマネージャーやエンジニアリングマネージャーにとって、この「コンテキストスイッチ(思考の切り替え)」こそが、生産性を削ぐ最大の敵ではないでしょうか。
ある調査では、開発者は業務時間の多くをタスク切り替えや中断への対応に費やしており、一度集中が途切れると元の作業に戻るのに20分以上かかるとも言われています。現場は、本質的ではない「ツールの操作」に悲鳴を上げているはずです。
本記事では、国内で利用率の高いSlackを「司令塔(ハブ)」とし、日程調整から会議実施、そして議事録の共有までをSlack上だけで完結させる自動化ワークフローの構築術を解説します。
目指すのは、「Slackから一歩も出ずに会議ライフサイクルを回す」体験です。
なぜ、多くの現場で会議DXが進まないのでしょうか。それは、各ツールが「点」で導入され、連携されていないからです。
この分断されたプロセスを、Slackをハブにして「線」で繋ぐことが今回のゴールです。

具体的には、以下の3つのフェーズを自動化します。
これにより、人間は「Slackに来た通知を見て、スタンプを押すだけ」あるいは「Slackで議論するだけ」という状態を作り出せます。この「スイッチングコストの削減」こそが、ツール連携の最大の価値です。
最初のステップは、日程調整の入り口をSlackに統合することです。 多くの日程調整ツール(Jicoo、Spir、TimeRexなど)はSlack連携機能を備えていますが、単に「通知を受け取る」だけでは不十分です。「誰に」「どこで」通知させるかが重要です。
デフォルト設定では、予約通知が個人のDM(ダイレクトメッセージ)に来ることが多いですが、これを「チームの共有チャンネル」や「プロジェクトチャンネル」に向けることを推奨します。
例えば、日程調整ツールであるJicooを活用する場合、Slack連携を設定することで、予約が入った瞬間に指定したチャンネルへ通知を飛ばすことができます。
実務的なメリット:
#pj-xxx-mtg や #sales-leads など、文脈に合ったチャンネルを選びます。
これにより、メールボックスを確認しに行く手間がゼロになります。
通知が来るようになったら、次は「作業」の自動化です。 会議が決まると、それに付随して「CRMへの入力」「タスクの起票」「お礼メールの準備」などの事務作業が発生します。これらをiPaaS(Integration Platform as a Service)であるZapierやYoomを使って自動化します。
多くの日程調整ツールは、Zapierなどの外部連携ツールと接続可能です。 「予約が確定した」というイベントをトリガー(引き金)にして、以下のようなアクションを自動実行させます。
自動化の例:
たかが数分の作業ですが、これが1日に5件、10件と積み重なると、ボディブローのように効いてきます。「入力し忘れ」というヒューマンエラーも防げるため、精神的な負担が大きく軽減されます。
特に、JicooなどのツールはWeb会議URL(Zoom/Google Meet/Teams)を自動発行し、カレンダーとSlack通知の両方に記載してくれるため、「URLどこだっけ?」という不毛なやり取りも撲滅できます。
最後の仕上げは、会議後の「議事録共有」です。 ここが最も工数がかかり、かつ形骸化しやすいプロセスです。しかし、最新のAI技術を使えば、ここもSlack内で完結します。
社内の定例や軽い相談であれば、Slack純正の「ハドルミーティング」と「Slack AI」の組み合わせが最強です。
外部ツールを一切開くことなく、会話のログがテキストとしてSlackに残る体験は、一度味わうと戻れません。
社外との商談や、Zoom/Google Meetを使う場合は、NottaやFireflies.aiといったAI議事録ツールを連携させます。
これらのツールは、会議にBotとして参加し、録音・文字起こしを行います。さらに強力なのは、「会議終了後に要約をSlackの指定チャンネルに自動投稿する」機能です。
理想的なフロー:
#general や #sales チャンネルに「〇〇会議の要約」が自動投稿される。「議事録書きます」と言ってから数時間後に共有されるのと、会議直後の熱量が高い状態で自動共有されるのとでは、情報の鮮度と価値が段違いです。

最後に、これらを組み合わせた具体的な生産性向上のためのレシピを紹介します。自社の状況に合わせて選んでください。
「Slack通知だけで終わらせない」ことの重要性をお伝えしてきました。
単に通知を受け取るだけでなく、それをトリガーに次のアクションを自動化し、最終的な成果物(議事録)までをSlackに集約する。これにより、私たちはツールを行き来するストレスから解放され、本来集中すべき「対話」や「意思決定」にリソースを割けるようになります。
まずは、現在使っている日程調整ツールの設定画面を開き、「Slack連携」がONになっているか、そして通知先が適切なチャンネルになっているかを確認することから始めてみてください。その小さな設定変更が、チームの生産性を変える第一歩になるはずです。
(※本記事における機能や連携仕様は2026年2月17日時点の情報に基づきます。各ツールの最新プランや仕様をご確認ください。)
セールスや採用などのミーティングに関する業務を効率化し生産性を高める日程調整ツール。どの日程調整ツールが良いか選択にお困りの方は、まず無料で使い始めることができサービス連携や、必要に応じたデザインや通知のカスタマイズなどの機能が十分に備わっている日程調整ツールの導入がおすすめです。


