ミーティングインテリジェンスの2025年トレンド:会議は「点」から「線」へ。マルチミーティングインテリジェンスとは

2026年2月18日(水)
目次
  • 1. 海外で話題の「Multi-meeting Intelligence」とは何か?
    • 2. tl;dvが先行する「会議を横断した文脈理解」の衝撃
      • 3. プロジェクト全体の進捗や顧客の温度感を時系列で可視化する
        • 4. 「検索」から「対話」へ:会議データに質問できる時代の到来
          • 5. 始め方(初期設定)
            • 6. 実務での使い方
              • 7. よくある失敗と対処
                • 8. 比較の観点
                  • 9. さらに効率化するには
                    • 10. まとめ
                      • 11. Jicoo(ジクー)について

                      2025年、ビジネスにおける会議のあり方は、単なる「記録」から「資産化」へと大きな転換点を迎えています。

                      これまでの会議DX(デジタルトランスフォーメーション)は、1つの会議をいかに効率よく記録・要約するかという「点」の最適化に留まっていました。しかし、最新のトレンドは、過去の膨大な会議データや、異なる部署間の会議を横断的に分析し、新たなインサイト(洞察)を導き出す「線」や「面」のアプローチへと進化しています。

                      本記事では、海外で注目を集める「Multi-meeting Intelligence(マルチミーティングインテリジェンス)」という概念を中心に、組織のサイロ化を防ぎ、意思決定を高度化するための最新潮流を解説します。

                      • When(いつ): 2025年は、単発の要約から「会議横断分析」への技術的シフトが本格化する年です。
                      • Who(誰が): プロダクトマネージャー、営業責任者、経営企画など、組織横断的な情報を必要とするリーダー層に影響します。
                      • What(何を): 過去の会議ログを「検索」するのではなく、AIと「対話」して文脈を引き出す運用への切り替えが求められます。

                      海外で話題の「Multi-meeting Intelligence」とは何か?

                      「Multi-meeting Intelligence(マルチミーティングインテリジェンス)」とは、文字通り「複数の会議を横断して知能化する」技術や概念を指します。

                      従来の議事録ツールは、あくまで「その日の会議で何が話されたか」を記録するものでした。しかし、ビジネスの現場では、重要な意思決定やプロジェクトの進捗は、たった1回の会議で完結することは稀です。数ヶ月にわたる定例会議や、営業部門と開発部門それぞれの会議など、複数の文脈の中にこそ真実が隠されています。

                      「点」から「線」へのパラダイムシフト

                      この技術の本質は、会議データを「点(Single Meeting)」ではなく「線(Multi-meeting)」として捉え直すことにあります。

                      • 従来のAI要約(点): 「今日のA社との商談の要約を作って」
                      • Multi-meeting Intelligence(線): 「過去3ヶ月のA社との全商談から、価格に関する懸念点の推移を教えて」

                      このように、時系列や部門をまたいで情報を統合できる点が最大の特徴です。これは単なる機能の追加ではなく、組織における「オーラルヒストリー(口述記録)」の扱い方を根本から変えるパラダイムシフトと言えるでしょう。

                      comparison between single meeting summary and multi-meeting intelligence

                      tl;dvが先行する「会議を横断した文脈理解」の衝撃

                      このトレンドを牽引している代表的なプレイヤーの一つが、欧州発のミーティングレコーダー「tl;dv」です。彼らは早期から「Multi-meeting Intelligence」を標榜し、単なる録画ツールからの脱却を図っています。

                      組織の「記憶」を検索可能にする

                      tl;dvなどの先進的なツールが提供するのは、組織全体の会議ライブラリに対する「横断的な問いかけ」です。

                      例えば、プロダクトマネージャーが「先月の全商談の中で、機能Xに対するネガティブなフィードバックはあったか?」とAIに質問したとします。AIは、自分が参加していない営業会議の録画データも含めて解析し、「3件の商談で言及があり、主な理由は操作性の複雑さでした」といった回答を生成します。

                      これは、従来であれば営業担当者にヒアリングして回らなければ得られなかった情報です。会議データがサイロ化(分断)せず、組織全体の共有知として機能し始める瞬間です。

                      プロジェクト全体の進捗や顧客の温度感を時系列で可視化する

                      会議を「線」で捉えることの最大のメリットは、変化のプロセスを可視化できる点にあります。

                      顧客心理の変遷を追う

                      カスタマーサクセスの現場では、顧客の温度感(Sentiment)の変化が重要です。初回キックオフでは高揚していた顧客が、実装フェーズの会議を重ねるごとにトーンダウンしていく──そのような「予兆」は、単発の議事録だけを見ていては気づきにくいものです。

                      最新のインテリジェンスツールは、会議ごとの感情分析を時系列でプロットし、リスクが高まっているタイミングをアラートとして提示する機能を備え始めています。

                      文脈の欠損を防ぐ

                      プロジェクトに途中から参加したメンバーにとって、過去の経緯(コンテキスト)を把握するのは多大な労力を要します。「なぜこの仕様になったのか?」という問いに対し、過去の関連会議をAIが即座にリストアップし、議論の変遷を要約してくれる機能は、オンボーディングのコストを劇的に下げる可能性を秘めています。

                      「検索」から「対話」へ:会議データに質問できる時代の到来

                      ユーザー体験(UX)の観点でも、大きな変化が起きています。それは「キーワード検索」から「自然言語による対話(Chat)」への移行です。

                      RAG(検索拡張生成)の実装

                      技術的には、RAG(Retrieval-Augmented Generation)と呼ばれる仕組みが活用されています。ユーザーが「Aプロジェクトの課題は?」と質問すると、AIが社内の会議データベースから関連情報を検索(Retrieve)し、それを元に回答を生成(Generate)します。

                      これにより、ユーザーは「いつの会議だったか」「ファイル名は何か」を覚えている必要がなくなります。あたかも「すべての会議に出席していた優秀な秘書」に話しかけるような感覚で、過去の情報を引き出すことができるのです。

                      これは単なる効率化を超え、私たちが情報にアクセスする際の「認知負荷」を極限まで下げる試みと言えます。

                      始め方(初期設定)

                      Multi-meeting Intelligenceを組織に導入するには、ツール選定だけでなく、データの「貯め方」を設計する必要があります。

                      1. 録画・録音の一元化

                      まず、会議データが分散していない状態を作ることが先決です。Zoomのクラウド、個人のPC、ボイスレコーダーなど、保存先がバラバラではAIは横断分析ができません。

                      • 推奨アクション: 全社またはチーム単位で利用するレコーディングツールを統一し、自動録画設定をオンにする。

                      2. 権限設定とプライバシーポリシーの策定

                      「他部署の会議が見える」ことはメリットですが、人事評価や機密案件など、オープンにすべきでない会議も存在します。

                      • 推奨アクション: 「デフォルトは公開」「特定キーワード(採用、評価など)を含む会議は非公開」といったルールをツール側で設定します。

                      3. カレンダー・CRMとの連携

                      会議の「属性情報(誰と、何の目的で)」をAIに理解させるため、カレンダーやCRM(顧客管理システム)との連携は必須です。

                      • 推奨アクション: GoogleカレンダーやSalesforce等を連携させ、会議タイトルや参加者情報が正確に記録されるようにします。

                      integration settings screen

                      実務での使い方

                      具体的な職種別の活用シナリオを紹介します。

                      プロダクトマネージャー:顧客の声(VoC)の直接収集

                      自身が参加できない営業商談やカスタマーサポートの通話をAIに分析させます。

                      • プロンプト例: 「今週の商談で、競合他社(Y社)について言及された箇所をすべてリストアップし、どのような文脈で比較されているか要約して」

                      営業マネージャー:ハイパフォーマーの分析

                      成約率の高いメンバーとそうでないメンバーの商談を横断比較し、成功パターンを抽出します。

                      • プロンプト例: 「Aさんの商談において、クロージングの局面でよく使われているフレーズや、顧客の反応が良い提案パターンを抽出して」

                      エンジニアリングマネージャー:技術的意思決定の振り返り

                      開発定例会議のログから、技術選定の経緯を再確認します。

                      • プロンプト例: 「過去半年間のアーキテクチャ検討会議の中で、データベース選定に関する議論の変遷と、最終的な決定理由をまとめて」

                      よくある失敗と対処

                      新しい技術にはリスクも伴います。導入初期に陥りやすい罠とその対処法を解説します。

                      失敗1:ハルシネーション(嘘)の鵜呑み

                      AIは複数の会議をつなぎ合わせる際、文脈を取り違えて誤った結論(ハルシネーション)を出す可能性があります。

                      • 対処: AIの回答には必ず「ソース(該当する会議の再生箇所)」へのリンクが付与されているツールを選び、重要な意思決定の際は必ず一次情報を確認する習慣をつけます。

                      失敗2:「録画されている」ことへの心理的抵抗

                      常に監視されていると感じ、メンバーの発言が萎縮してしまうケースです。

                      • 対処: 「評価のためではなく、情報の民主化と業務効率化のために使う」という目的(Purpose)をリーダーが明確に伝え、心理的安全性を担保することが不可欠です。

                      失敗3:データのゴミ屋敷化

                      「とりあえず全部録画」したものの、会議タイトルが「定例」「打ち合わせ」ばかりで、AIが中身を判別できない状態です。

                      • 対処: 会議のアジェンダやタイトルを明確にする運用ルールを設けます。これは/magazine/productivityの観点でも重要です。

                      比較の観点

                      2025年〜2026年初頭にかけての主要ツールの特徴を整理します。

                      ツール名 特徴・強み 向いている組織 比較基準日
                      tl;dv グローバル対応、CRM連携に強み。「Multi-meeting」の概念をリード。 海外拠点がある企業、Salesforce等を活用する営業組織 2026年2月
                      Notta 日本語認識精度が極めて高い。「Notta Brain」によるドキュメント統合分析。 日本国内の大手企業、議事録作成を重視する組織 2026年2月
                      Read.ai 会議だけでなくメールやSlackも含めた「Cross-channel」分析。 コミュニケーション全般を可視化したいプロジェクトチーム 2026年2月

                      ※各ツールの機能は急速にアップデートされています。導入時は最新の公式サイトをご確認ください。

                      さらに効率化するには

                      会議データの質を高めるためには、会議の「入り口」である日程調整とアジェンダ設定の段階から構造化しておくことが有効です。

                      日程調整と会議情報の紐付け

                      日程調整ツールを活用して会議を予約する際、事前に「会議の目的」や「アジェンダ」を入力させるフローを組むことで、AIが後から分析する際の精度が向上します。

                      例えば、日程調整ツールのJicooなどを活用すれば、予約時に取得したアンケート回答や顧客情報をカレンダーに自動反映できるため、会議ログと顧客データが紐付いた状態で蓄積されます。これにより、AIツール側での「文脈理解」がよりスムーズになります。

                      また、/magazine/integrationを活用して、日程調整完了と同時に議事録ツールのURLを発行・共有する自動化フローを組むのも、実務的な負担を減らす良い方法です。

                      まとめ

                      会議は「点」から「線」へ。この変化は、単なるツールの進化にとどまらず、組織のインテリジェンスをどう高めるかという経営課題そのものです。

                      1. 記録の資産化: 会議ログは「終わったら捨てるメモ」ではなく「将来の意思決定を支えるデータ」です。
                      2. サイロの解消: 自分が参加していない会議の知見にアクセスできる環境が、部門間の壁を壊します。
                      3. AIとの対話: 検索するのではなく、問いかけることで、隠れた文脈を発見できます。

                      まずは、特定のプロジェクトや定例会議といった小さな範囲から、過去の会議を横断的に振り返る試みを始めてみてはいかがでしょうか。「あの時の議論が、今のこの結果につながっている」という発見が、組織の学習能力を一段階引き上げるはずです。

                      Jicoo(ジクー)について

                      セールスや採用などのミーティングに関する業務を効率化し生産性を高める日程調整ツール。どの日程調整ツールが良いか選択にお困りの方は、まず無料で使い始めることができサービス連携や、必要に応じたデザインや通知のカスタマイズなどの機能が十分に備わっている日程調整ツールの導入がおすすめです。

                      チームで使える日程調整ツール「Jicoo」とは?

                      Jicoo(ジクー)はGoogleカレンダー、Outlook、iCloudカレンダー等と接続して予定の空き状況をリアルタイムに取得!ダブルブッキングを確実に防ぎ日程調整を自動化。 またチーム内での担当者割当やWeb会議のURL発行、キャンセルやゲストへのリマインド対応などの予約管理まで、個人と法人のミーティング業務を自動化し、チームを効率化する予約プラットフォームです。
                      カレンダーと接続して予約ページ作成
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                      GoogleカレンダーやOutlookなど利用中のカレンダーサービスと接続するだけで予約ページを作成。
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