ビデオ通話やWeb会議の標準ツールとして、Zoomは多くの企業や教育機関から支持を集めています。
テレワークが一気に広まったコロナ禍を経て、現在ではオフィス出社とテレワークを組み合わせた「ハイブリッドワーク」が定着し、Zoom(現:Zoom Workplace)の活用方法はさらに多様化しています。
しかし、日常的にZoomを使っていても、一部の設定や機能については「実はよくわかっていない」という方も少なくないでしょう。
特にハイブリッド会議が増えた現在、トラブルの原因となりやすいのがオーディオ関連の機能です。
この記事では、Zoomの機能のうち、快適な会議運営に欠かせない「オーディオに接続しない(コンピューターオーディオから退出)」という機能について、その意味や活用シーンを解説します。
そもそも「オーディオ」とは、Zoomにおいては「マイク」と「スピーカー」の両方を指します。
Zoomにおける「オーディオに接続」とは、「端末の音声機能(入出力)を使うかどうか」という意味だと考えると理解しやすくなります。
つまり、「オーディオに接続しない」というのは、「自分の声をマイクで拾わず、かつ相手の声もスピーカーから出さない」という状態を意味しているのです。
よく混同されがちな「ミュート」との決定的な違いは、「相手の声が聞こえなくなるかどうか(スピーカーもオフになるか)」です。ミュートは自分のマイクのみをオフにする機能ですが、「オーディオに接続しない」状態では、デバイス自体がZoomの音声から完全に切り離されます。これが、後述する「ハウリング対策」において極めて重要な役割を果たします。
Zoomはビデオ会議という性質上、オーディオに接続することを前提に作られているため、参加時にオーディオへの接続を求めるポップアップが表示されます。
また、PC版では「コンピューターオーディオに参加しない」「コンピューターオーディオから退出」、モバイル版では「オーディオの切断」など、デバイスやバージョンによって名称が若干異なる場合があります。ここでは、主要な設定パターンに基づいて解説しましょう。
Zoomで「オーディオに接続しない」を選ぶ、最も基本的な方法です。

Zoomのミーティングに参加する際、毎回「コンピューター オーディオに参加する」かを尋ねるダイアログがポップアップします。
ここで青いボタンを選ぶと、オーディオに接続した状態になります。
オーディオに接続したくない場合は、このダイアログの右上の「✕」をクリックします。すると次のような画面が表示されます。

「オーディオなしで続行しますか?」という確認が表示されるので、「続行」をクリックすると、オーディオなしでミーティングに参加することができます。
誤ってオーディオに接続してしまった場合や、会議の途中でオーディオを切り離したくなった場合は、ミーティング画面から簡単に切断できます。実務で最もよく使う緊急回避策です。
画面左下のマイクアイコン(ミュートボタン)の横にある「^(上矢印)」をクリックします。
展開されたメニューの中から「コンピューターのオーディオから退出(Leave Computer Audio)」をクリックすると、即座にオーディオが切断されます。
毎回手動で選択するのが手間の場合は、最初から自動接続しない設定にしておくことも可能です。
まず、Zoomの「オーディオ設定」を開きます。

ミーティング画面中であれば、画面左下の「オーディオ」の横にある「^」マークから「オーディオ設定」に進むことができます。

ミーティング中でない場合は、Zoomアプリのホーム画面右上にある自分のアイコン、または設定(歯車マーク)から、「オーディオ」に進むことで同じ画面にアクセスできます。

この画面を下にスクロールし、「ミーティングに参加する際、コンピューターオーディオに自動で接続」のチェックマークを外しておきます。これで、参加時に勝手にオーディオが有効になることを防げます。
タブレットやスマホなどのモバイルデバイスでも設定が可能です。

モバイルアプリ版では、アプリ画面右下の「詳細情報(または「詳細(...)」)」をタップし、「設定」の中の「ミーティング」へ進みます。

一番上にある「オーディオに自動接続」という項目をタップします。

ここを「オフ」にしておくことができます。
ただし、モバイルデバイスからの参加時はデフォルトでオーディオがオンになりやすい仕様です。会議中に急いで音を消したい場合は、画面内の「オーディオの切断」や「オーディオなし」のメニューを探してタップしてください。
「参加者の声を拾わない」「雑音を消す」という目的であれば「ミュート」を使うのが一般的ですが、「オーディオに接続しない」機能でなければ解決できない強力な活用シーンが存在します。
現在最もこの機能が必要とされているのが、オフィスの一つの会議室に複数人が集まり、それぞれが自分のPCを開いてZoomに参加するケースです。
この時、全員がオーディオに接続してしまうと、誰か一人のスピーカーから出た音を別の人のマイクが拾い、「キーン」という不快なハウリング(Audio Feedback Loop)が発生してしまいます。
このようなシーンでは「1室1オーディオの原則」を守る必要があります。会議室内の代表者1名のPC(またはZoom Rooms機器)のみをオーディオに接続し、同席している他の参加者は全員「オーディオに接続しない(コンピューターオーディオから退出)」を選択するのが正しい運用です。全員がミュートにするだけではスピーカーから音が出てしまうため、必ずオーディオ自体を切断してください。
海外の活用事例として一般的なのが、セカンドスクリーンを用いた「コンパニオンモード(Companion Mode)」としての活用です。
たとえば、メインのPCでは画面共有やプレゼン資料の投影を行い(オーディオON)、手元のタブレットやスマホでは参加者の顔を確認したり、チャットを打ったりする(オーディオOFF)という使い方です。
1人が2台のデバイスで同時入室しても、片方のオーディオを切断しておくことで、エコーやハウリングを完全に防ぐことができます。
数十名以上が参加する全社会議やウェビナーなどにおいて、一部の参加者が「映像や画面共有を見るだけ」または「Zoomチャットでの発言のみ」に特化したい場合、オーディオに参加しないという選択肢があります。不用意にマイクがオンになってしまう放送事故を物理的に防ぐことができます。
講演会などで、映像はZoomで見つつ、音声は電話回線(ダイヤルイン)や専用の支援機器(Assistive Listening Devices)を使って高品質に聞きたい場合、Zoom側のオーディオをオフにする必要があります。これはアクセシビリティを確保するうえでも有効な手段です。
単に発言しないだけであれば事前の「参加者一律ミュート設定」のほうが実用的ですが、音声環境を完全に切り分けたい場合には「オーディオに接続しない」が役立ちます。
この記事では、Zoomにおける「オーディオに接続しない」という機能の意味や設定方法、そしてミュートとの違いを解説しました。
以前は使う機会が限られていると思われがちだったこの機能ですが、ハイブリッドワークが普及した現在では、「オフィスでのハウリングを防ぐための必須知識」となっています。
なお、ホスト側からは、オーディオに接続していない参加者はマイクのアイコン自体が消えて表示されるため、一目で状態が確認できます。
「ミュート」と「オーディオに接続しない」の違いを正しく理解し使い分けることで、トラブルのないスムーズなZoom会議を実現させましょう。
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